脊髄損傷、手指の機能回復=サルで成功、治験へ―京大、阪大

神経の再生を妨害するたんぱく質を抑える物質を、脊髄損傷のサルに投与して手指の機能回復を促進させることに成功したと、京都大と大阪大の研究チームが発表した。阪大と田辺三菱製薬を中心に、早ければ2018年中に臨床試験(治験)を始める。論文は5日付の英脳科学誌電子版に掲載された。

国内では交通事故などで脊髄を損傷する人が年5000人以上発生し、患者は計20万人以上とされる。リハビリを行っても職場や学校への復帰率は10%程度にとどまるといい、京大霊長類研究所の高田昌彦教授は「損傷が早期の過程で臨床応用すれば、効果が得られるのではないか」と話している。

研究チームは、人が成長する過程で必要なたんぱく質で、脊髄損傷時には患部周辺に多く発生して神経の再生を妨げる「RGMa」に着目。働きを阻害する抗体を作製し、脊髄損傷のアカゲザルで実験を行った。

損傷した部分に4週間、チューブを介して抗体が浸透するようにした上で、サルが小さな穴から餌を取り出す実験を14週間実施。健康なサルと比較すると、少なくとも8割以上の機能が回復した。

時事通信社

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