「家族との未来描けた」=がん患者救ったオプジーボ―本庶さんに感謝・ノーベル賞

ノーベル医学生理学賞の受賞が決まった本庶佑京都大特別教授が開発に貢献した治療薬「オプジーボ」は、がん患者の命をつないだ。「家族と未来を描けるようになった」「先生のおかげで今生きている」。患者から「命の恩人」への感謝の声が広がっている。

千葉県佐倉市の清水公一さん(41)は2012年10月、会社の健康診断で肺がんが見つかり、翌年には副腎や脳への転移が確認された。16年12月に脳への転移が再発。脊髄への転移も見つかり、オプジーボの投与を始めた。清水さんは当時を「厳しい状況だった」と振り返る。

しかし、投与開始の約1カ月後から腫瘍マーカーの数値が下がり始め、頭痛が軽減。昨年7月ごろまで投与を続け、今も状態は良いという。

転移が判明した当時、長男は1歳だったといい、「ショックだった。どこまで成長を見届けられるのかなと思った」。昨年次男が生まれ、「オプジーボのおかげで未来を描けるようになった」と話した。

兵庫県の会社員栗生和幸さん(53)もオプジーボで症状が改善した1人だ。16年5月、ステージ4の肺がんと診断され、複数の転移が確認された。「あとどれくらい生きられるのか」。家族や将来への不安が一気に押し寄せた。

抗がん剤治療は効果が見られず、「少しでも生きられる可能性があるなら」とオプジーボを投与したところ、数カ月で症状が改善。今年3月に行われた長女の高校の卒業式に参加できるまでに回復し、今は「成人式が楽しみ」という。

オプジーボが使えるがんの種類は限られており、効果が見られる患者も一部にとどまる。栗生さんは「まだ(がん治療は)解明されていない部分も多い。世界で研究を進め、より多くの人が助かれば」と医療の発展に期待を寄せた。

時事通信社

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