第三者精子の人工授精を停止=提供者確保できず―慶応大

無精子症などで子供を持てない夫婦に対し、第三者が提供した精子を用いた人工授精(AID)をしてきた慶応大病院は30日までに、新規患者の受け入れを停止する方針を確認した。生まれた子が提供者を知る「出自を知る権利」の広がりにより、提供者を確保できなくなったためという。

これまで提供者の情報は患者側に伝えられず、子には精子提供の事実も知らされない例が多かったとみられるが、近年は出自を知る権利が重視されるようになった。

国内のAIDの約半数を手掛けてきた同病院は、昨年6月、生まれた子から要請があれば提供者の情報を知らせざるを得ない可能性があると、提供者向けの同意書に記載。その後、提供者を確保できなくなり、今年8月に新規患者の受け入れを停止した。

同病院は29日に開いた有識者会議で、受け入れ停止方針を改めて確認した。治療中の患者は凍結保存済みの精子で対応を続ける。

同病院は「国による法制化や学会ガイドラインの確立が必要で、今後働き掛けていく」とのコメントを発表した。

時事通信社

(Copyright©2007時事通信社)