高齢者施設などで重要=受験生らの服用、リスクも―インフル治療薬予防投与

インフルエンザの流行が本格化し、病院や養護老人ホームなどでの集団感染が相次いでいる。予防にはワクチン接種や手洗い、うがいなどが有効だが、インフルエンザ治療薬を発症前に使う「予防投与」の重要性も指摘されている。一方で、受験生ら健康な人による発症前服用にはリスクも伴い、厚生労働省は、投与は必要最低限にとどめるよう求めている。

日本感染症学会は病院や高齢者施設内での感染対策の提言で、病院ではまずインフルエンザ発症者が出た病室に限って予防投与し、必要に応じてフロアや病棟全体に拡大するよう提案。高齢者施設では入所者全員への積極的な投与を求めた。ワクチン接種で感染と発症を抑えられる効果は通常60~80%程度で、高齢者はさらに低下するため、「ワクチン接種にかかわらず予防投与は必要だ」とした。

予防投与に使えるのは、経口薬のタミフルと吸入薬のリレンザ、イナビル。原則として、インフルエンザ発症者の同居家族や共同生活者のうち、65歳以上の高齢者や呼吸器・心疾患、糖尿病などの患者を対象とする。保険は適用されず、全額自費負担になる。

インフルエンザの流行は受験シーズンと重なるが、対象外の受験生らが入試などに備え予防投与を受けることはできるのだろうか。厚労省によると、承認外の使用方法も医師の裁量で認められており、処方される可能性はあるという。ただ、副作用が生じても「医薬品副作用被害救済制度」による給付を受けられないなど、デメリットもある。

厚労省の担当者は「予防はワクチン接種が基本で、手洗いなどの対策も有効。薬の投与はどうしても必要な場合に限るべきだ」と話している。

時事通信社

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