糖尿病、AIで重症化予防=「教師データ」集め開発―経産省

経済産業省は、軽度の糖尿病患者に生活改善を促し、重症化を予防するための人工知能(AI)開発を進める。自ら学習するAIを高いレベルに引き上げるには、質の高い「教師データ」が必要。同省は日本糖尿病学会と協力し、重症化手前の患者に絞った約2000人分のデータを臨床試験を通じて今年末までに収集する予定だ。

経産省幹部らによると、重症化予備軍の患者に限ったデータを、臨床研究に沿った形で大規模に収集する例は海外にもないという。

臨床試験では、被験者のスマートフォンアプリを通じて、歩数や体重などのデータを日々収集。AIが運動や食事療法といった被験者の努力を褒めるなどして、生活習慣と体質の改善につなげる。どのような働き掛けが有効だったかも検証する。

これまでも自治体の住民向け啓発事業などを通じ、健康に関するデータは収集されている。しかし、参加希望者を募集して実施する事業では、健康意識の高い人が集まりやすく、軽度の糖尿病患者ら真に生活習慣の改善が必要な人のデータを確保するのは難しいという。

このため今回の臨床試験は、糖尿病の診断で測定される「HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)」の値を基に、重症化一歩手前の患者のみを対象にすることにした。

経産省は、収集したデータを一定のルールの下で民間企業や外部の研究機関に教師データとして提供し、AIの開発に役立ててもらう方向。質の高いデータの積極的な利用を促し、AIを活用した国内ヘルスケア産業の発展を支援したい考えだ。

時事通信社

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