「再発時基準」二審は認めず=B型肝炎訴訟、患者敗訴―福岡高裁

集団予防接種の注射器使い回しでB型肝炎ウイルスに感染した2患者が、慢性肝炎の再発時を基準とする損害賠償を国に求めた訴訟の控訴審判決が15日、福岡高裁であった。山之内紀行裁判長は、患者側の主張を認め各1250万円の支払いを国に命じた一審福岡地裁判決を取り消し、患者側の請求を棄却した。

患者側弁護団は即座に上告する方針を示した。

山之内裁判長は、慢性肝炎は長期的に快方と悪化を繰り返しやすいが、現在では治療水準が改善していると説明。再発によって、発症時と異なる新たな損害が発生したとは言えないと判断した。

その上で、20年で賠償請求権が消滅すると定めた民法の「除斥期間」の起算点を、再発時ではなく「発症時と解するのが相当」と結論付けた。

原告の一人、福岡市の平野裕之さん(60)は同市内で取材に応じ、「発症時点で将来の病気の悪化(再発)を見越して申請することなどできるわけがない。とても非論理的な判決で、最高裁に期待したい」と話した。

B型肝炎をめぐる国の救済制度では、慢性肝炎患者に1250万円が給付されるが、20年の除斥期間後は300万円または150万円に減額される。弁護団によると、全国で約90人の患者が今回同様、再発時を賠償請求の起算点とするよう求め国と争っている。

時事通信社

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