着床前診断拡大、広く議論へ=他学会や患者も参加―産科婦人科学会

日本産科婦人科学会は31日、受精卵の遺伝子などを調べる「着床前診断」の拡大について、複数の医学系学会のほか、社会学者や患者を交えた議論を行うと発表した。学会の審査体制見直しも検討する。

着床前診断は、体外受精させた受精卵の遺伝子や染色体を調べる検査。命の選別との批判もあり、学会はこれまで、成人する前に死亡したり人工呼吸器が必要になったりする重い遺伝病などに限って検査を認めていた。

昨春、大阪市の女性(37)から目のがん「網膜芽細胞腫」について申請があり、失明の恐れはあるものの命に関わることは少ないため、学会はいったん非承認とした。その後、女性が代表を務める患者団体から質問書が送られたのを機に、検査対象を「日常生活に大きな影響を及ぼす病気」に広げると決め、再び審査することにした。しかし、検査の対象疾患を大幅に広げる決定を、学会内の非公開の議論だけで行ったことに対し、批判が寄せられていた。

学会は近く、倫理委員会の諮問機関である倫理審議会を設置。女性の申請を承認するか議論するとともに、今後の審査体制の見直しも検討する。三上幹男・倫理委員長は「公的な審査会をつくる方がいい」と話した。

時事通信社

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