宇宙滞在で免疫低下、仕組み解明=「きぼう」マウス実験で―理研など

宇宙に長期滞在する飛行士に免疫機能低下が見られることが報告されているが、理化学研究所と宇宙航空研究開発機構(JAXA)などは、国際宇宙ステーション(ISS)の日本実験棟「きぼう」でのマウス飼育実験で、無重力環境下で免疫細胞のTリンパ球を作る胸腺が萎縮することを突き止めた。成果は、将来の月・火星探査や宇宙旅行での健康管理に役立つと期待される。論文は27日、英科学誌サイエンティフィック・リポーツに掲載された。

きぼうにある小動物飼育装置(MHU)は、マウス12匹の飼育が可能。6匹は遠心力で地上と同じ重力を与え、無重力の6匹と比較できる。

理研免疫恒常性研究チームの秋山泰身チームリーダーらは、2016年7~8月、MHUで35日間飼育後に帰還させたマウス12匹(人工重力6匹、無重力6匹)と、地上で飼育した6匹の胸腺を比較。無重力マウスの胸腺は、地上マウスより萎縮していた。人工重力マウスも萎縮していたが、無重力マウスよりも萎縮の程度は少なかった。

遺伝子解析の結果、無重力マウスでは細胞増殖に関わる遺伝子の働きが低下していることが判明。細胞増殖が抑えられ、萎縮につながっていることが分かった。また、Tリンパ球の分化や増殖を促す細胞の配置にも異常が見られた。

時事通信社

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