iPS心筋、移植計画を承認=厚労省に申請へ―慶応大

人工多能性幹細胞(iPS細胞)から作った心臓の細胞を心臓病患者に移植する慶応大チームによる臨床研究計画を、同大の専門委員会が承認したことが6日、分かった。チームは近く厚生労働省に計画を申請し、了承が得られれば今夏にも移植に移る。

臨床研究は、福田恵一・同大教授(循環器内科)らが、心臓の収縮力が低下する「拡張型心筋症」の20~75歳の患者3人を対象に実施する。京都大が健康な人から作った拒絶反応を起こしにくいiPS細胞を、拍動を担う心筋細胞に変えた上で塊にし、計約5000万個を特殊な注射針で心臓に移植。細胞ががん化したり、不整脈が起きたりしないかや、心機能が回復するかを検証する。

マウスなどの実験では、移植した細胞ががん化しないことや、長期間心臓に定着し、拍動することを確認。昨年5月、専門委に計画を申請していた。

iPS細胞を用いた心臓の再生医療の研究では、大阪大が1月、心臓の血管が詰まり血流が悪化する「虚血性心筋症」で心不全になった患者への移植を実施した。今回の計画は2例目だが、移植の方法が異なる。

拡張型心筋症は重症化すると心不全を起こすなどして死亡する危険性もあり、心臓移植の対象となる。国内の患者数は数万人。

福田教授は「心筋を再生して定着させる研究は世界初。長期の効果が期待される分、未知の部分も大きく、慎重に進めたい」と話した。来年にも臨床試験(治験)を始め、2022年ごろの承認を目指すという。

時事通信社

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