緊急事態宣言の解除基準、なお不透明=与野党の質問集中―予算委

11日の衆院予算委員会では、新型コロナウイルス感染に関する緊急事態宣言を解除する際の「数値基準」をめぐり、与野党の質問が集中した。ただ、14日の宣言解除前にも基準を公表するとしていた政府側から明確な説明はなかった。野党からは批判が上がった。

「どうなったら解除されるのか。客観的な基準は示されていない」。質問に立った立憲民主党の枝野幸男代表は安倍晋三首相にこう迫った。

首相は4日に緊急宣言の延長を決めた際、解除基準を明示せずに批判を浴びた。このため、西村康稔経済再生担当相は7日の記者会見で、(1)感染状況(2)感染経路不明者の割合(3)医療提供体制―の3点を踏まえて基準を設定すると明言。14日より前の公表に意欲を見せていた。

そうした中で行われた11日の集中審議。自民党や野党各党は軒並み、解除基準について問いただした。国民民主党の玉木雄一郎代表は、新規感染者の14日間連続減少、陽性率7%以下といった判断基準も提案した。

しかし、首相は各党から再三問われても詳細には踏み込まず、14日に一部で宣言を解除する可能性があるとの方針を示すにとどまった。西村氏も7日の会見を踏まえた明確な基準を示すことはなかった。

背景には、政府の基準づくりが難航していることがある。西村氏は厳しい数値の設定に前向きだが、「ある程度幅を持ったものにしないと、医療体制が逼迫(ひっぱく)する東京は永遠に解除できなくなる」(関係者)との意見もあるためだ。基準公表は14日当日までずれ込む可能性もある。

11日の予算委では、政府統計の在り方も問題になった。玉木氏は厚生労働省のホームページに掲載された、8日時点の東京都内の新型コロナによる死者数が19人から171人に修正された点を追及。加藤勝信厚労相は曖昧な答弁に終始したため、午後の参院予算委で釈明に追われた。

「客観的データに基づいて解除の判断をしなければいけない時に正しい情報が速やかに政権幹部に上がる態勢になっていない」。玉木氏は質疑後、記者団に政府をこう批判した。

時事通信社

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