コロナ薬、開発の動き急=早期普及に課題も―日米欧企業

【ニューヨーク時事】日米欧など世界の製薬企業が新型コロナウイルスの治療薬やワクチンの開発を急いでいる。当局の承認に至るものも出始めたが、普及までには供給体制の整備など課題も指摘される。

代表的な治療薬候補は抗インフルエンザ薬「アビガン」と抗ウイルス薬「レムデシビル」だ。レムデシビルは米ギリアド・サイエンシズがエボラ出血熱の治療薬として開発中だったが、新型コロナ感染者への臨床試験(治験)で症状改善が確認され、日米の当局が今月、特別に使用を認めた。

アビガンは富士フイルム富山化学(東京)が開発。日本政府は今月中にも、新型コロナ治療薬として承認するとみられている。

ワクチン開発も急ピッチで進むが、治療薬よりも開発に時間を要し、「少なくとも1年から1年半かかる」(テドロス世界保健機関=WHO=事務局長)見通し。WHOによれば、11日時点で八つのワクチン候補が治験段階にある。開発元は欧米や中国の企業、大学などだ。

米ファイザーと独ビオンテックは、年内に数百万回分のワクチン供給を目指すと表明。米モデルナは今月、治験の中間段階に間もなく移行すると発表し、来年にも販売承認を得られるとの見方を示した。

ただ、薬やワクチンの治験が成功したとしても、大規模な供給体制の確立には時間がかかるとみられている。ギリアドは自社生産にこだわらず、インドなどの後発薬メーカー5社とライセンス契約を結び、量産を急ぐ方針だ。

薬やワクチンの価格設定も、普及のカギを握りそうだ。国際医療援助団体「国境なき医師団」は、薬やワクチンなどに特許が設定されれば、価格高騰や供給の制限につながると警告。特許の停止や価格統制などを進めるよう、各国政府に呼び掛けている。

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