「コロナ後の社会」争点化狙う=新自由主義の転換主張―野党

立憲民主党の枝野幸男代表ら野党党首が、新型コロナウイルス感染収束後の社会像を議論するよう相次いで訴えている。自民党政権が近年進めてきた市場原理重視の「新自由主義」路線が公的医療サービスの縮小を招き、政府の感染対策が後手に回る要因になったと分析。次期衆院選での争点化を視野に路線の転換を主張している。

「行き過ぎた『官から民へ』、小さな政府、自己責任論、効率性重視の医療。このしわ寄せが国民の暮らしと命に来ている」。枝野氏は11日の衆院予算委員会でPCR検査の遅れに触れてこう指摘。「ポストコロナの新しい社会像を示すべきだ」と訴えた。14日も記者団に「競争至上主義は危機に直面すると脆弱(ぜいじゃく)さが明確になる」と語った。

これに他の野党幹部も呼応する。共産党の志位和夫委員長は14日の記者会見で「新自由主義の破綻は明らかだ。福祉、社会保障に手厚い国への転換が求められる」と強調。国民民主党の玉木雄一郎代表は4月のインタビューで、「人が集中する場所は感染が拡大しやすい」との理由から「本質的な地方分権の議論が必要だ」と提唱した。

枝野氏らには、安倍政権の対応を追及することに加え、コロナ危機を契機に自らの立場を有権者に浸透させる狙いがある。立憲幹部は「今後の社会像は衆院選の対立軸になる」との見方を示し、同時に「国民民主党や共産党とも共有しやすい」とその利点を語った。

新自由主義路線について、野党側は安倍晋三首相が自民党幹事長などとして深く関わった小泉政権で顕著になったとみる。首相は11日の衆院予算委で、枝野氏の主張に「この(コロナの)経験を生かした社会像を描いていく」と述べつつ、「『官から民へ』の流れは簡素で効率的な行政システムをつくるために重要だ」と答えた。

時事通信社

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