コロナワクチン開発進展主張=世界初狙い、安全性疑問漂う―ロシア

【モスクワ時事】ロシアが新型コロナウイルスのワクチン開発の進展を主張している。ロシアのムラシコ保健相は「ワクチンの臨床試験が終了した」と発表。政府は今月中にワクチンを正式承認する見通しで、世界初の承認となる可能性がある。ただ、米メディアなどは安全性や効果に疑問を呈している。

ムラシコ氏は1日、モスクワにある国立ガマレヤ疫学・微生物学研究所が国防省と開発を進めていたワクチンの臨床試験が終了したと発表。10月から医療関係者や教師を優先して無料接種を始める方針も明らかにした。ワクチン生産は9月に開始する見通しだ。

ワクチン開発に関わる政府系ファンド「ロシア直接投資基金」のドミトリエフ総裁も7月末の米CNN(電子版)のインタビューで、ロシアが世界初のワクチン承認を目指す意向を表明。旧ソ連が1957年に史上初の人工衛星を打ち上げ、米国を驚かせた歴史を挙げ「ワクチンでも同様だ。ロシアは先んじるだろう」と主張した。

プーチン政権は国家の威信や体面を重んじている。ワクチン開発の成功を内外にアピールするため、承認に至るハードルも低いとみられている。CNNは「ロシアはワクチン治験の科学的データを公開しておらず、安全性や効果を検証できない」と伝えた。

ロシアをめぐっては、英政府が7月、ロシア政府の支援を受けたとみられるハッカーグループが新型コロナのワクチン開発に当たる英米とカナダの研究機関や製薬関連企業にサイバー攻撃を仕掛けていると発表。ロシアは関与を否定している。

時事通信社

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