米、ワクチン使用で厳しい指針=大統領選前の許可困難―新型コロナ

【ワシントン時事】米食品医薬品局(FDA)は6日、新型コロナウイルスワクチンの安全性を確保するため、正式承認前に緊急使用を許可する際の指針を公表した。開発する製薬会社に対し、臨床試験(治験)対象者へのワクチン投与から少なくとも2カ月間の観察などを求める厳しい内容。11月の大統領選までの実用化は極めて難しくなり、トランプ大統領は戦略の見直しを迫られる。

コロナワクチンをめぐっては、世論調査の支持率で後れを取るトランプ氏が「10月中には接種できる」と期待を寄せ、FDAや製薬会社に実用化をせかしてきた。これに対して許認可権を持つFDAは反発。ワクチンの信頼性低下を懸念し、重篤な副作用がないか慎重に調べるよう義務付ける指針案を9月下旬に作成していた。

厳格な承認手続きに反対していたホワイトハウスが6日、一転してFDAの指針案を認めた。トランプ氏自身がコロナに感染したことで、治療に使われた米リジェネロン社の未承認薬を含めて新薬の実用化が加速するとの見方も浮上していたが、FDAがワクチンの「政治利用」に待ったをかけた形だ。

米メディアによると、ホワイトハウスの独断でワクチンを承認することは不可能ではないが、政治的な思惑を優先したワクチン政策に国民の不信感が強まる恐れもある。開発で先行する米製薬大手ファイザーのブーラ最高経営責任者(CEO)は、FDAの独立性を尊重する考えを強調した。

時事通信社

(Copyright©2007時事通信社)