有望ワクチンで独社に脚光=株価急騰、創業者はトルコ系―新型コロナ

【フランクフルト、ベルリン時事】米製薬大手ファイザーと提携し、有望な新型コロナウイルスワクチンを開発中のドイツのバイオ医薬品企業ビオンテックが脚光を浴びている。創業12年のベンチャーで国際的には無名だったが、ワクチン期待で株価は急騰。創業者のトルコ系夫婦も、移民社会のドイツで注目を集めている。

両社が開発しているのは、遺伝物質「メッセンジャーRNA(mRNA)」を活用する新たな手法のワクチン。臨床試験(治験)では9割超の確率で感染予防効果があったと確認され、開発レースで競合他社を一歩リードしている。日本など各国が調達する方針だ。

年間売上高が500億ドル(約5兆2000億円)を超える世界最大級の製薬会社ファイザーに対し、ビオンテックは従業員1300人の中規模企業。しかし以前から取り組んでいたmRNAワクチンの技術力を買われ、3月にファイザーと共同開発で合意した。米ナスダック市場での株価は、昨年10月の上場から1年余りで7倍超に値上がりしている。

ビオンテックの創業者は、4歳でトルコから移住してきたウール・シャヒン氏と、妻でトルコ系移民2世のエズレム・テュレジ氏。ともに医学博士だ。国内外のメディアが取材に殺到し、差別を受けがちなトルコ系の「魂の癒やし」(独紙ターゲスシュピーゲル)などと称賛されている。トルコのコジャ保健相もシャヒン氏と電話会談した。

シャヒン氏は英紙ガーディアンのインタビューで、移民としての自身のルーツは研究とは無関係だと強調する一方、「このワクチンでパンデミック(世界的流行)に終止符を打つことができる」と自信を示した。

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