菅首相、観客入り五輪へ決意=新型コロナなお課題

菅義偉首相は16日、国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長と会談し、新型コロナウイルス感染拡大の影響で来夏に延期された東京五輪・パラリンピックについて、観客を入れた形での開催に決意を示した。ただ、国内の感染状況はいまだ深刻で、実現に向けた課題となっている。

「観客の参加を想定したさまざまな検討を進めていると説明した」。首相は会談後、記者団にこう強調。一方、バッハ氏も観客受け入れについて「確信を持つことができた」と語るなど、日本政府とIOCの連携をアピールした。

首相は「安心・安全な大会」の実現を掲げ、新型コロナ対策の徹底を関係省庁に指示してきた。五輪の成功には、選手だけではなく、観客の参加も不可欠との考えからだ。政府高官は「無観客での五輪開催はない」と言い切る。

政府は既に、外国人観客受け入れの検討に着手。行動・健康管理などの条件を満たせば、入国後2週間の待機措置を免除し、公共交通機関の利用も認める方針だ。来春までに対策をまとめ、五輪観戦が可能な環境整備を目指している。

しかし、新型コロナの猛威は、海外だけでなく、国内でも再び増加傾向が顕著になっている。全国の新規感染者数は15日時点で1440人と、5日連続で1日1400人を上回った。感染者数が急増する事態に、政府関係者は「このままどんどん増えると大変なことになる」と懸念を募らせる。

首相は16日の政府・与党連絡会議で「各自治体と連携しながら最大限の警戒感を持って対策を実施している」と強調した。ただ、各地の感染封じ込めは都道府県知事に委ねるしかなく、政府の対応には限界も垣間見える。「メッセージを発信するしか打つ手がない」。政府内からはこんな弱音も漏れる。

時事通信社

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