「感染拡大後では遅い」=緊急事態再検討で専門家―1都3県には理解も・新型コロナ

新型コロナウイルスの感染拡大を受け、政府が首都圏の1都3県を対象に緊急事態宣言を再発令する方向となった。感染者の増加に歯止めがかからない現状に、経済活動重視の姿勢を後退させた格好だが、専門家は「後手後手だ」「対応が遅い」と批判している。

昭和大の二木芳人客員教授(感染症学)は「国は観光支援事業『Go To トラベル』などの経済活性化策をもっと早期に見直すべきだった」と強調。「経済活動を回すのが大事なのも分かるが、『トラベル』を昨年12月28日よりも早く停止し、新型コロナが首都圏から地方に拡大するのを積極的に抑え込むべきだった」と話した。

二木氏は「対応が後手後手になっている印象だ。都知事らが2日に宣言を要請して発令しやすくなったのかもしれないが、『トラベル』の停止期限が11日に切れるこのタイミングで出さざるを得なかったのではないか」と推測した。

東京医療保健大大学院の菅原えりさ教授(感染制御学)は「新型コロナに限らず、ウイルスは感染拡大が起こりそうな時に手を打つ必要がある。拡大が始まってからでは遅い」と指摘。「国は『緊急事態宣言があり得る』というメッセージや具体的な措置について、第3波が本格化した昨年11月末から12月初めに示すべきだった」とした上で、「11月下旬からの『勝負の3週間』は何に対する勝負なのか分かりにくく、国民への呼び掛けとしては弱かった」と振り返った。

宣言の対象を1都3県に限定する方針について、菅原氏は「政治や経済の中心である東京で飲食店の営業時間短縮などが進めば、他の地域でも人の動きや流れに歯止めがかかり、結果として、全国的な感染拡大防止につながるのでは」と話した。

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