mRNAワクチン、高い効果=予防「95%」、世界初の実用化

米製薬大手ファイザーが開発した新型コロナウイルスのワクチンは、「mRNAワクチン」と呼ばれる新しい技術が採用された。実用化は今回が初めてだが、臨床試験(治験)では95%と高い予防効果が報告されている。

ファイザーの製品はウイルスの遺伝物質RNAの一部を人工合成し、脂質の膜で包んだもの。注射すると感染時と似た形で体の免疫機能が働き、抗体などが作られる仕組みだ。

同社が実施した治験では、偽薬を接種した約2万2000人のうち162人が発症。これに対し、ワクチンを接種した約2万2000人では発症が8人にとどまり、発症率が95%下がった。

ワクチンには、人口の大半が免疫を持つ「集団免疫」による流行収束への期待もかかる。だが、ワクチンが感染自体を防ぐかどうかや、効果が続く期間、ウイルスの変異、どれだけの人が接種するかなどに左右されるため見通しは立たない。

有害事象は、治験参加者のうち接種部位の痛みが66~83%、疲労感が34~59%、頭痛が25~52%で報告された。米疾病対策センター(CDC)によると、強いアレルギー反応の「アナフィラキシー」も接種約20万回当たり1回見られたが、接種後は一定時間会場で待機し、すぐ治療を受ければ回復可能という。

治験は昨年始まったばかりで長期のデータはなく、ごくまれに起きる重い副反応の恐れも否定されていない。ただ、東京大の石井健教授(ワクチン科学)は「他社製品も含めて世界で既に1億人が接種したが報告はない」と話す。

専門家が警戒するのは、ウイルスの変異による影響だ。特に懸念されている南アフリカ型ウイルスに対し、ファイザーは大幅に効果が弱まることはないとの見解を示した。

しかし、他社製品で効果が限定的との報告もあり、ファイザー製もさらに変異が進むと十分な効果を得られない恐れはある。ファイザーとワクチンを共同開発した独バイオ医薬品企業ビオンテックは、変異ウイルスに対するワクチンは6週間で開発可能としている。

時事通信社

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