情報公開、社会の理解得て=新型コロナワクチン接種開始―専門家

医療従事者を対象に先行接種する新型コロナウイルスのワクチン。専門家は政府に対し、ワクチンの効果と有害事象の情報を広く公開し、社会の理解を得ながら接種を進めるよう求めている。

接種に用いるのは米製薬大手ファイザー製で、ウイルスの遺伝物質RNAを人工合成して作ったワクチン。同社が世界の約4万人を対象に実施した臨床試験(治験)では、接種したグループの発症率は接種していないグループに比べ20分の1程度に下がるなど、高い効果が報告された。

治験では痛み、疲労感、頭痛、発熱などの有害事象が起きた。石井健・東京大教授(ワクチン科学)は「免疫がつくられる際に起きる現象だ。インフルエンザのワクチンと比べれば頻度は高いが、肺炎球菌ワクチンなどとは大きく変わらない」と分析。熱が2、3日下がらないなどの場合は医療機関に相談するよう求めた。

米疾病対策センター(CDC)によると、重いアレルギー反応「アナフィラキシー」も約20万回に1回見られたが、すぐ治療を受ければ回復可能だ。

英オックスフォード大の統計サイトによると、他社製ワクチンも含めて世界で1億5000万回以上接種され、一定の安全性が確認されつつある。だが、長期的なデータはなく、ごくまれに起きる重い副反応の可能性も残る。

森島恒雄・愛知医科大客員教授(感染症学)は「世界からも情報を集めて公開し、社会の納得を得ながら接種を進めることが重要だ」と指摘した。

時事通信社

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