不妊治療、3割が「仕事休んだ」=支援制度「なし」も6割―企業の取り組み課題

厚生労働省は29日、不妊治療を受けている当事者や医療機関を対象とした初の本格的な実態調査の結果をまとめた。不妊治療を続けるに当たって、男女とも3割以上が「仕事を休んだことがある」と回答。勤務先で「不妊治療の支援はない」と答えた人も6割以上となり、仕事と治療の両立が難しい実態が浮き彫りとなった。厚労省は「企業側の取り組みがいまだ不十分な点が課題。休暇取得を支援する制度を広めていきたい」としている。

政府は2022年4月から不妊治療に公的医療保険を適用する方針で、調査結果を具体的な制度設計に生かす考え。これに先立ち、特別休暇制度の導入などに取り組む中小企業への助成金の支給を21年度中に開始する予定だ。

調査は昨年10~12月、過去・現在において不妊治療の経験がある当事者の男女らと、794の医療機関を対象に郵送とインターネットを通じて実施。当事者は男性625人、女性1011人の計1636人から回答があった。回答者の平均年齢は39.5歳、このうち現在も治療を続けている人は22.9%だった。

働きながら不妊治療を続ける人は、頻繁な通院を余儀なくされる結果、仕事との日程調整に悩むとされている。調査結果によると、当事者のうち男性の34.9%、女性の37.1%が治療のために仕事を休んだことがあると回答。治療のために仕事を辞めたことがあると回答した人も、男性で4.6%、女性で11.2%いた。勤務先に休暇などの支援制度がないと答えたのは、男性で61.8%、女性で72.6%に上った。

調査では当事者の心理的なストレスについても質問。「他の人の妊娠が喜べない」という気持ちが少し以上はあると答えたのは、男性が63.9%に対し、女性は77.2%。「自身やパートナーの親からのプレッシャーを感じることがある」は、男性が69.7%、女性が74.0%で、いずれも男性より女性の方がストレスを感じていることが分かった。

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