首都で「医療崩壊」=新規感染30万人超のインド―直行便、次々停止

【ニューデリー時事】連日30万人以上が新型コロナウイルスに新規感染しているインドでは、各地で「医療崩壊」の現状が報じられている。首都ニューデリーでは医療機関での受け入れが困難となり、到着しても治療を受けられず死亡する患者が相次いだ。医療用酸素の供給も難航。患者らは悲痛な声を上げている。

1日当たり新規感染者が2万人を超える首都の新型コロナ対応の病院には、ひっきりなしに救急車が到着。救急車運転手のディネーシュさん(38)は28日の電話取材に「24時間フル稼働しているが、首都周辺の病院には空きがなく、約200キロ離れた街まで行くことも珍しくない」と打ち明けた。

病院前には、家族が医師の指示で在宅治療していたものの酸素が切れ、大きなボンベを引きずって来た人の姿もあった。地元メディアによれば、医療機関を手配する行政の電話対応はまひしており、患者と家族がバイクタクシーなどで直接、病院に乗り付けるケースも多い。

地元主要メディアは27日、私立病院に来たが集中治療室(ICU)に空きがなく、その後死亡した患者の遺族が、病院関係者を刃物などで負傷させた事件を報道。ヒンドゥスタン・タイムズ紙は「初期治療を終え、家族に転院を求めた」ためトラブルとなったという病院関係者の話を伝えた。

医療機関で酸素が不足し、入院患者が死亡する問題が相次いだため、内務省は25日、すべての工業用酸素を医療用に回すよう命じた。ただ、ニューデリーを管轄するデリー首都圏政府のケジリワル首相は27日、「タンク車の不足で酸素分配が困難だ」と説明し、急きょタイからタンク車を輸入すると述べた。

インド政府は関連を否定しているものの、二つの変異株の特徴を併せ持つ二重変異ウイルスが感染拡大の一因と指摘されている。最近は主要メディアが詳細不明の三重変異ウイルスの存在も報道。既に英国やオーストラリアなど数カ国がインドとの旅客便を一時停止する措置を取った。

時事通信社

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