幼保一元化、踏み込まず=「こども庁」検討加速―骨太原案

政府の経済財政運営の基本指針「骨太の方針」原案に、子育て施策の司令塔となる「こども庁」の創設が盛り込まれた。3府省にまたがる予算や法令を調整する同庁の組織づくりに向け、政府は今後検討を加速させるが、懸案だった保育所と幼稚園の一元化に踏み込むのを避けるなど、子ども施策の抜本強化につながるかは不透明だ。

現在の子ども施策のうち、虐待、貧困対策など福祉行政は厚生労働省、教育行政は文部科学省の所管で、内閣府も絡む。現金給付一つ取っても、児童扶養手当は厚労省、就学援助は文科省、児童手当は内閣府と別々。厚労省幹部は「どこかに権限を一本化できれば」と話し、文科省幹部も学校での虐待の兆候発見など「うちでフォローし切れない部分をこども庁が担うなら意義がある」と語る。

ただ原案では、長年の課題である厚労省所管の保育所と文科省所管の幼稚園の一元化は明記しなかった。幼稚園を教育機関と考える園関係者が、福祉施設と位置付けられる保育所との統合に難色を示すなど利害調整が難しい。2015年度に両施設の特性を併せ持つ内閣府所管の「幼保連携型認定こども園」が生まれたが、施設が3種類に増えて統合されず、自治体への通知も3府省からそれぞれ出ている。

政府は来月にも、官房長官をトップとするこども庁の準備室を設置する方向だが、中央省庁関係者からは「言葉が先行している」と困惑の声が聞かれる。

財源確保も課題だ。17年度の国内総生産(GDP)に占める子育て関連予算の比率は、英国の3.5%、フランスの2.9%に対し、日本は1.6%と低い。子どもの貧困対策などに取り組むNPO法人キッズドアの渡辺由美子理事長は「組織の話より貧困の子育て家庭を助けてほしい」と強調。「内閣府と厚労省の予算を足して『倍にしました』ではだめ。大幅な拡充が必要だ」と訴える。

時事通信社

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