7割超「緩和ケアの質低下」=病院回答、コロナ影響で―NPO調査

末期がんなどの患者が最期を過ごす緩和ケア病棟を抱える病院の7割超が、新型コロナウイルスの影響で患者や家族へのケアの質が低下したと考えていることが、NPO法人「日本ホスピス緩和ケア協会」(神奈川県中井町)の全国調査で判明した。感染防止のための面会制限が主な要因で、協会は患者や家族に寄り添ったきめ細かな対応を求めている。

協会に登録する376病院を対象に3月、昨年12月~今年2月末の対応などを調査。174病院から回答を得た。

新型コロナによる緩和ケアの質への影響を尋ねたところ、33%が「大きく低下した」と回答。「少し低下」(39%)と合わせると7割を超えた。「低下していない」は25%だった。

低下の主な要因は面会制限で、174病院中170病院(98%)が人数や時間、感染拡大地域からの面会を制限していた。家族を含むすべての面会を禁じた病院や、面会者のPCR検査をした病院もあった。

質低下の内容としては、「患者が家族に会いたくても会えず、つらい思いをさせている」「家族との対面での関わりが減り、情報共有が難しくなった」「みとりに間に合わない」などの声が寄せられた。面会制限時の病棟スタッフの対応については、スマートフォンなどによる面会支援や家族への電話連絡を頻繁に行ったなどの回答があった。

協会の安保博文副理事長は「感染対策や面会制限の在り方は、地域の感染状況や患者、家族の状況に応じて見直す必要があり、マニュアルで一律に決めるべきではない」と強調。「病院側は、一人一人の患者や家族が置かれた環境を十分に把握し、柔軟に対応してほしい」と話している。

時事通信社

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