「ワクチン格差」に起因か=オミクロン株拡大、是正急務

【ロンドン時事】新型コロナウイルスの新たな変異株「オミクロン株」は、アフリカ南部から世界各地に広がったとみられている。アフリカをはじめとする途上国では、設備や資金面の問題からワクチン接種の進展が先進諸国に比べて遅く、こうした「ワクチン格差」が感染拡大の要因となったとの見方も出ている。

オミクロン株を最初に報告した南アフリカのラマポーザ大統領は28日、テレビ演説を行い、医療体制の脆弱(ぜいじゃく)な途上国で接種率が低いことを踏まえ「オミクロン株の出現はワクチンの不平等を許すべきでないという警鐘だ」と指摘。ワクチン格差は「接種の進まない国の人々を犠牲にするだけでなく、パンデミック(世界的大流行)を乗り越える世界の努力を脅かす」と警告、全ての人がワクチンを受けられる体制づくりが必要だと主張した。

世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長も29日の記者会見で、ワクチンの公正分配は「慈善事業でなく、全ての国にとっての最善の利益」と強調。「ワクチン不平等が長く続けばそれだけウイルスを拡大させ、予防や予想ができない形で進化させる」とし、格差是正が急務だと訴えた。

WHOの10月28日時点の報告によると、アフリカ大陸で2回接種を受けたのは7700万人と、全人口のわずか6%。これに対し、高所得国の約7割では40%以上が完全接種を済ませている。WHOやアフリカ連合(AU)などは11月29日の共同声明で、アフリカでの接種進展には「信頼性のある予測可能なワクチン供給」が必要とし、安定供給へ国際社会の協力を改めて呼び掛けた。

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