北朝鮮、全国の都市を封鎖=支援要請可能性も―コロナ初確認に危機感

【ソウル時事】北朝鮮は12日、朝鮮中央通信を通じ、新型コロナウイルスの感染者の発生を初めて公表した。金正恩総書記は強い危機感を示し、全国すべての市や郡の「徹底的封鎖」を指示した。今後感染拡大が深刻化すれば、これまで拒否してきた国際社会からの支援を求める可能性がある。

同通信によると、感染は8日に平壌の発熱者から確認され、オミクロン株という。規模は不明だが、感染者は複数いるもよう。正恩氏は12日、党政治局会議を開き、「最大非常防疫態勢」への移行を決定。都市を封鎖する一方で、事業所ごとに隔離して生産活動を維持するよう指示し、「国防の空白が生じないよう」警戒強化も求めた。

北朝鮮は2020年1月から国境を封鎖した。今年1月に中国との貨物列車の運行を再開したが、4月下旬に中国側での感染拡大を理由に停止。国内で人や物資の移動を遮断すれば、制裁と国境封鎖で厳しい状況にある国内経済に追い打ちを掛ける可能性がある。

時事通信社

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