コロナワクチン、4回目開始=60歳以上・持病ある人限定―重症化予防目的・厚労省

新型コロナウイルスワクチンの4回目接種が25日午前、全国各地で始まった。重症化予防を目的とし、対象者は3回目から5カ月以上経過した60歳以上や基礎疾患のある18歳以上に限定。公費の「臨時接種」に位置付け、60歳以上には努力義務を適用する。6月以降に本格化する見通しだ。

4回目では、米ファイザー製と米モデルナ製を使用する。対象となる基礎疾患は糖尿病、慢性の心臓病や肝臓病、肥満など。がんの治療中で免疫機能が低下している人なども含まれ、重症化リスクが高いと医師が認めた場合に接種できる。59歳以下で健康な人は、医療従事者を含め対象外。

接種券は3回目までと同じく、住民票のある自治体から送付される。60歳以上は全員に届く一方、18~59歳で基礎疾患のある人は地域によって自己申告が必要な場合もある。対象外でも3回目を受けた18歳以上へ一律に送る自治体もあり、厚生労働省は自治体のホームページなどで確認するよう呼び掛けている。

イスラエルの研究によると、4回目を受けた60歳以上の重症化予防効果は6週間減少しなかった一方、感染予防効果は短期間で低下。このため厚労省は、重症化しやすい人に対象を絞って実施を決めた。

4回目はイスラエルや英国、米国などで行われている。いずれの国も対象者を高齢者や医療従事者らに限っている。

東京都港区の集団接種会場では、25日午前9時半ごろから接種を開始。60歳以上の男女4人が、同10時すぎまでに医師の問診を経てファイザー製ワクチンを打った。同区によると、25日は計11人が予約しているという。

接種した同区の医師寺田昌功さん(78)は「小学生の孫と暮らしていて、持病もある。念には念を入れたかった」と淡々とした様子。同区の無職女性(65)も「自分を守るため、他人にうつさないためにも早めに打てて安心だ」と話した。

時事通信社

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