「第7波」踏まえ工程表=全数把握見直し、患者受け入れ拡大―専門家有志・新型コロナ

政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身茂会長ら専門家有志は2日、東京都内で記者会見を開いた。感染「第7波」を踏まえ、政府の対応に関する工程表を提言。感染「第7波」収束後を見据え、感染者の全数把握の見直しやコロナ患者を受け入れる医療機関の拡大を盛り込んだ。

工程表は、第7波の緊急対応として地域の実情に合わせ検討する「ステップ1」と、第7波収束後を念頭に適切な時期の導入を目指す「ステップ2」に分けた。

感染者の全数把握について、ステップ1で感染状況を把握する新たな仕組みを検討し、ステップ2からは感染症法上の「2類相当」に基づく全数把握を見直し、新たな仕組みを導入するよう求めた。保健所による患者への健康観察に関しても、ステップ2では見直す方向で検討すべきだとした。

医療体制では、感染者急増による発熱外来の逼迫(ひっぱく)に対応するため、ステップ1から段階的に一般診療所でも診療や検査を可能にすることを提唱。ステップ2からは、多くの医療機関で入院も受け入れるよう求めた。

提言案は、オミクロン株の派生型「BA.5」流行で、1日当たりの新規感染者数が過去最多を更新するなど感染拡大に直面したことを受け、国民に「一人ひとりが主体的に感染リスクを下げる行動」を要請。濃厚接触者の扱いをめぐり、待機期間を最短3日に短縮した政府決定に「感染拡大リスクが高まる」と懸念を示し、7日間は可能な限り抗原検査キットを活用するよう求めた。

尾身氏は「対策を打っても医療の逼迫が発生する地域では、場面や期間を限定した一部の行動制限について判断が求められる」と指摘。場合によってはイベントの開催延期や人数制限が必要になるとの認識を示した。

時事通信社

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