感染レベル「最高続く」=一部でピーク越え予測も―新型コロナ・厚労省助言組織

新型コロナウイルス対策を助言する厚生労働省の専門家組織「アドバイザリーボード」は3日、全国の感染状況について「これまでで最も高い感染レベルを更新し続けている」との見解をまとめた。一部地域で「ピークを越えつつある」との予測も示したが、「重症者や死亡者数の増加が始まっている」として、医療提供体制への影響に強い懸念を表明した。

座長の脇田隆字・国立感染症研究所長は会合後の記者会見で「今年初めの感染拡大後は、(オミクロン株派生型の)置き換わりの影響で高止まりが続いた」と指摘。第7波のピーク後も同様の状況が起きる可能性を示した。

世界保健機関(WHO)は7月下旬、日本の新規感染者数が世界最多だったと報告したが、脇田氏は「死者数が日本よりかなり多いところもある。海外では全患者を把握できていない可能性が高い」と述べた。その上で、感染者の全数把握が医療現場の負担になっているとして、「新たな体制への移行を検討すべきだ」と訴えた。

専門家組織によると、2日までの1週間に確認された全国の新規感染者数は前週比1.16倍で、増加幅はその前の週(1.89倍)より縮小した。青森、島根両県ではそれぞれ前週比0.97倍、0.81倍と減少。一方、沖縄県では、同日までの1週間に確認された人口10万人当たりの新規感染者数が全国最多の2353人に上った。

時事通信社

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