ドライスキンとは
皮膚は表皮、真皮、皮下組織の3層に分かれています。ドライスキンは表皮の、その中でも最も外側にある角層に関係があります。
ドライスキンは、皮脂が欠乏し、角層の水分を保持する機能が低下した状態です。角層が乾燥して厚くカサカサしており、油分や水分が少なく皮膚の表面が傷つきやすいです。
角層には「皮膚バリア機能」という乾燥や摩擦、細菌、紫外線などの外部刺激から防御する機能と、皮膚内部の水分喪失を防ぐ機能がありますが、ドライスキンではこの皮膚バリア機能が低下しています。
そのため外からの刺激を防御できず、かゆみが誘発され、さらにひっかくことで角層が傷つき、炎症や細菌の侵入を引き起こす原因になります。
高齢者のドライスキン
加齢に伴い、湿度や温度の影響を受けて角質水分量が変化しやすくなり、皮脂が欠乏しやすくなります。皮脂により皮膚は酸性に保たれますが、皮脂が欠乏する高齢者ではアルカリ性に傾きます。
また、水分と結合するアミノ酸などの天然保湿因子、角質の細胞同士をつなぎ合わせるセラミドなどが減少します。
これらの減少により、高齢者はドライスキンになりやすく、皮膚のトラブルがおこりやすくなるのです。
保湿剤について
- ヘパリン類似物質:高い保湿効果があります。また細菌やウイルスの侵入を防ぐ、バリア機能維持作用があります。
- 尿素製剤:保湿作用を持ち、古くなった角質を溶かしてはがす作用があります。そのため、手や足など角層の厚い部分に適しています。
- 白色ワセリン:角層の保護作用があります。脂溶性でべたつきがあり、皮膚への刺激が少ないです。

軟膏やクリーム剤、ローション剤などの剤形による効果の違いはありませんが、使用する部位や使用感によって使い分けます。
乾燥が強い場合は刺激の少ない軟膏剤、べたつきが気になる場合はクリーム剤、塗布する範囲が広い場合はローション剤などが適します。
かゆみなどの症状がある場合、外用ステロイドの併用を検討します。
貼付薬による皮膚トラブル
高齢者のドライスキンでは、貼付薬を繰り返し使用すると角質剥離が進み、皮膚バリア機能が低下しやすいです。また、若年者よりも外用剤の主成分の吸収が悪くなる、貼付薬が容易にはがれやすくなるなどの問題点が挙げられます。
これらは、日ごろのスキンケアである程度改善できます。貼付前にヘパリン類似物質などの保湿剤を塗布し、十分に乾燥させたうえで貼付薬を使用します。貼付薬は同じ場所に貼り続けずに、少しずつずらして貼るとかぶれにくいです。
入浴について
高齢者のドライスキンは、入浴によって皮脂が失われることで悪化することがあります。体を洗う時は、タオルでごしごし洗うことは避け、手のひらで石けんを泡立てて極力皮膚を刺激しないようにします。
お風呂の温度は、高すぎると皮脂が取り除かれることで肌が乾燥するだけでなく、体温が上がることでさらなる痒みを引き起こします。温度は38~40°Cのぬるめがよいです。

