よく噛むことの大切さ -2025年10月31日掲載-

毎日の食事の中で、何回くらい噛んでいるか、意識したことはありますか?
弥生時代卑弥呼の食事は噛む回数が現代の食事の6倍だったそうです。
学校食事研究会が、よく噛むとなぜよいか、子どもたちに覚えてもらい、もっとよく噛まなければと思ってもらえるようにとの願いを込めて作った『ひみこのはがいーぜ』という標語をご紹介します。子供だけでなく、大人にも効果が期待できます。

よく噛むことの大切さ

ひ・・・肥満予防
早食いは肥満のもと、と言われますが、よく噛んでゆっくり食べることで少ない量でも満腹感が得られ、肥満を防ぐことができます。
み・・・味覚の発達
よく噛むと唾液が多く分泌され、味の情報が脳に伝達されやすくなります。食べ物本来の味がよくわかるようになり、味覚の発達につながります。
こ・・・言葉の発音はっきり
よく噛むことで、顎や頬、舌など口の周りの筋肉が鍛えられ、言葉を正しくはっきりと発音できるようになるだけでなく、顔の表情も豊かになります。
の・・・脳の発達
よく噛むことで脳への血流が良くなり脳細胞のはたらきを活発にします。ねずみの実験で、固形食を与えられたねずみと粉末食を与えられたねずみでは、固形食を与えられたねずみのほうが条件回避学習の成績がよかったというデータがあります。
記憶力や判断力、集中力が高まり、反射神経にも良い影響を与えてくれます。
は・・・歯の病気予防
よく噛むと顎が発達します。きれいな歯並びになることで磨きやすくなります。また、唾液には歯周病菌やむし歯菌の繁殖を抑える作用や、酸の中和・再石灰化など歯の病気予防に重要な作用があり、唾液が増えることによってもむし歯や歯周病の予防に繋がります。
が・・・ガン予防
唾液に含まれる酵素は、発ガン性物質の毒性を弱める働きがあります。
よく噛み、食物と唾液をしっかり混ぜることでガン予防に繋がります。
いー・・・胃腸快調
食べ物をよく噛むと、小さくかみ砕かれるだけでなく、唾液と混ざり合って水分が増して飲み込みやすくなり、胃や腸で消化されやすくなります。また、唾液に含まれる消化酵素の働きにより、体内での消化や吸収がアップします。
ぜ・・・全力投球
歯並びと運動能力には関係があることがわかっています。歯並びが良いと噛み合わせがよくなり、しっかり食いしばれるので力を発揮しやすくなります。体力や運動能力の向上、集中力アップにも繋がります。

『噛む』ことは単に食べ物を細かくするだけでなく、健康維持や病気予防に繋がる様々な効果が期待できます。最近は柔らかい食べ物が増え、噛む回数が減少していると言われますが、食事の際には、ひと口30回を目標に、噛むことを意識してみましょう。