紫外線と日焼け対策 -2004年4月1日掲載-

紫外線は太陽から届く光の一種です。紫外線にはA、B、Cの3種類がありAとBは皮膚にダメージを与えます。日光浴は健康によいと長い間思われていましたが、紫外線に当たり過ぎると体にとって有害であることがわかっています。

紫外線は当たりすぎると、しみ、しわ、皮膚がんなどの原因となったり免疫力を低下させるため、感染症を起こしやすくなると言われています。子供のころから無駄な日焼けをしないよう、予防の習慣を身に付けたいものです。

人間の一生に浴びる紫外線量のうち、50%は18歳位までに浴びるといわれています。そして、子供時代に浴びた紫外線が多い程、皮膚の老化は早いのです。

太陽光は、ちょっとしたところから入り込んできます。空気の入れ替えや洗濯物を干すだけでも、直接日光に皮膚をさらすことになります。ほんの2~3分でも遺伝子には数千個の傷がつくのです。その害を防ぐ為にも、紫外線が皮膚に与える影響を正しく理解し対策をとることが大切です。

紫外線対策を考えた生活スタイル

  • 夏でも露出は控えめにするといった服装への気配りで、紫外線の害を避ける事が出来ます。たとえば、暑い時期でも長袖のものを着る、素足は避けてストッキングを履くなどちょっとしたことでいいのです。
  • 日傘は直射日光の90~95%を遮ってくれます。布地の色は黒が一番効果的ですが、薄い色合いの日傘でも紫外線カットの効果はあります。
  • 帽子はつばが7センチメートルあれば、顔に当たる紫外線は40%位まで減ります。

日常的にサンスクリーン剤を塗るようにしましょう。

SPF値
B紫外線(UVB)の防止効果を表す数値です。
PA分類
A紫外線(UVA)をどのくらい防止できるかと言う目安です。

紫外線と日焼け対策
外出時間が長い時は、SPF値の高いものを利用しましょう。紫外線防止剤には配合されている成分によって、紫外線を吸収して皮膚に届かないようにする「紫外線吸収剤」と、紫外線を反射して皮膚に届かないようにする「紫外線反射剤」の2種類があります。

紫外線吸収剤は塗り心地がよいものが多いのですが、皮膚に刺激を与えやすく「かぶれ」などを引き起こすこともあります。一方、紫外線散乱剤は厚く塗る必要があり、皮膚につけると白くなりやすいなど、使い勝手は悪いのですが、皮膚への負担は小さくなります。市販されている紫外線防止剤には紫外線吸収剤と紫外線散乱剤を組み合わせているものもあります。

サンスクリーン剤の効果
SPF PA 外出の目的
10前後 散歩、買い物など
20前後 ++ 草取り、スポーツ観戦など
30以上 +++ 海水浴、登山など

ウォータープルーフと呼ばれる耐水性のあるサンスクリーン剤を使うと、汗で流れ落ちる心配は少なくなりますが、肌が敏感な子供には適しません。

にきびが気になる人は、油分が少ないものにして下さい。

日焼けをしてしまったら

日焼けの程度に合わせて家庭で手当てをしたり、専門医にかかって本格的な治療を受けましょう。

単なる日焼けと軽視し放っておくと、皮膚の老化は知らない間にどんどんと進んでしまいます。

日焼けしてしまったら、丁寧に治療し皮膚の健康を保ちましょう。
「今日の健康」2004年5月号 NHK出版