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フラワー薬局通信

薬剤師による、お薬や健康についてのコラム。
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尿酸値をコントロール-痛風と高尿酸血症- -2006年6月1日掲載-

“風が吹いても痛い”といわれている”痛風”。

その発作の原因は「尿酸」です。血液中に尿酸が過剰に増加すると、尿酸の結晶が関節にたまり炎症を引き起こします。日本では1960年代の高度経済成長期以降、食生活の欧米化で脂肪や動物性のたんぱく質の多い食事が普及してきた頃から急増し、今では代表的な生活習慣病の一つとなりました。

「通風」と「高尿酸血症」

痛風発作が一度でも起きた場合を「痛風」、単に尿酸値が高いだけの状態を「高尿酸血症」と呼びます。高尿酸血症は、高脂血症、脂肪肝、高血圧などを多く併発しており、このほとんどが食事やストレス、運動不足などの生活習慣由来だとされています。これらの合併症とともに高尿酸血症は、動脈硬化、心臓病、脳卒中を引き起こす可能性があり注意が必要です。

治療のスタートは生活習慣を正すことから

痛風や高尿酸血症と診断されたら、生活習慣全般の問題点、たとえば食事の時刻、食べ方、量などの食生活や運動をする習慣をつけるといったことから気をつけていきましょう。

食事で注意が必要なのはプリン体です。プリン体は、尿酸に分解される前段階の物質で、ほとんどの食事に含まれています。プリン体の含有量は多くの場合100g当たりで表示されています。しかし、実際に食べる量を考えてみて下さい。プリン体含有量の多いものに干ししいたけ、煮干しなどがありますが、一度に使う量はどのくらいでしょうか?プリン体が多いからとらないという前に、一回で使用する大体の量を比較してみましょう。

プリン体の多い食品

きわめて多い
食品 食品100g当たり(mg) 食品一回量当たり(mg)
鶏レバー 312 312
真いわし干物 305 305
いさき白子 305 152
あんこう肝酒蒸し 399 119
かつおぶし 493 24
煮干し 746 74
干ししいたけ 379 15
多い
食品 食品100g当たり(mg) 食品一回量当たり(mg)
豚レバー 284 284
牛レバー 219 219
かつお 211 169
真いわし 210 168
大正えび 273 232
真あじ干物 245 208
さんま干物 208 177

痛風と高尿酸血症
プリン体は細胞の核酸に含まれています。したがって、細胞数の多いレバーなどの内臓には、その分プリン体が多く含まれています。また干物のように乾燥しているものは細胞が凝縮されているため、例えば同量の生の魚とその干物では、干物のほうがプリン体含有量は見かけ上多くなります。

また、食品に含まれるプリン体の量は、焼いたり炒めたりしてもあまり変わりませんが、水溶性のため、茹でたり煮たりすると水に溶け出して、2~3割は減少するといわれています。この汁を飲まないだけでも、プリン体の量を減らすことができます。

一方、プリン体が少ないのは果物や野菜です。野菜にも細胞はありますが、割合として水分が多く、プリン体は少ないといわれています。

他にも、尿酸値が高い人が気をつけなければならないのがアルコールの取りすぎです。ビールがよくないことはよく知られていますが、これは原料の麦芽にプリン体が多く含まれているからです。では、ほかのお酒ならよいのでしょうか?アルコールは分解される時に尿酸を産生し、またその際にできる乳酸が尿酸の排泄を妨げるために、結局アルコール自体が尿酸値を上げることになります。ビールに限らず、やけ酒、一気飲みのような多飲につながる飲み方は避けたり、休肝日を設けたりするのがおすすめです。

これまでプリン体の多い食品を控えることが重要視されてきましたが、現在では体内に存在するプリン体から作られる尿酸の量は、食品に含まれるプリン体から産生される量より3~4倍多いことなどから、以前ほど重視されなくなりました。とはいえ、プリン体のとりすぎは尿酸値を上げることになるため、プリン体を多く含む食品を続けて多量にとらないなどの工夫が必要です。これから暑い日が続く季節になりますが、たくさん汗をかいたあとに飲むビール、見直してみませんか?
ENIF医薬ニュース (Vol.5 No.9 2006) 東邦薬品株式会社
NHK「きょうの健康」 2006年2月号 NHK出版

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