フラワー薬局

お薬に「まごころ」を添えて。


フラワー薬局通信

薬剤師による、お薬や健康についてのコラム。
毎月月末に更新予定です。


おなかの弱い人へ -2010年8月31日掲載-

過敏性腸症候群(IBS)とは

過敏性腸症候群とは、大腸や小腸に原因となる異常が見つからないのに、便通異常と腹部症状が続く病気です。

英語では、Irritable Bowel Syndrome(略して「IBS」)といい、現代のストレス社会では急増している病気のひとつです。IBSの症状に悩んでいる人は、男性よりも女性に多く、全人口の10~15%(10人に1~1.5人)といわれています。しかし、実際に医師の診察を受ける人は半分以下であり、多くの人が一時的な下痢、便秘と思いこんで自己流の治療を行っているようです。

IBSの症状


主な症状は腹部痛、腹部不快感や下痢、便秘などの便通異常です。大きく以下の3つの症状に分けられます。

下痢型
腸の運動亢進によって突然腹痛が起こり、トイレに駆け込むと下痢便を排泄して腹痛が治まることがある
便秘型
腸が痙攣性に収縮するため内容物が通りにくくなり、その間に便の中の水分が吸収されるので便はウサギの糞のようにコロコロしたものとなり、これが少量ずつ排泄される
混合型
下痢と便秘を交互に繰り返す

主な原因はストレス

IBSは、主にストレスに起因して、下痢や便秘を慢性的にくり返す疾患です。大腸がんや潰瘍性大腸炎などとは異なり、視覚的に確認できる異常が認められないのが特徴です。

また単純な下痢や便秘と大きく違うのは、主な原因がストレスであることと、腹痛やおなかの張り・おなかがなんとなく気持ち悪い・おなかが鳴る、といった腹部症状をともなうことです。また、排便によってその症状が軽減することも、IBSであるかどうかを見極める目安になります。その他にIBSによって、不眠や不安・抑うつなど胃腸以外の症状を引き起こしてしまう人もいます。

脳と腸は密接な関係があり、脳は自律神経を介して腸の動きをコントロールしています。ストレスを受けると自律神経が乱れ、腸は過敏な状態になります。そのため腸の運動に異常が生じ、おなかに様々な症状が現れてきます。これが更なるストレスとなり悪循環に陥るため再発を繰り返すといわれています。自己判断せずに医療機関で検査を受けて確かめる事が大切です。

IBSの治療法

IBSは原因がよく分かっていない為、根治は難しいとされています。そのため症状を起りにくくし、気分よく日常生活を送れるように症状を改善する事が目的となります。治療には次のようなライフスタイルの改善が欠かせません。

  • 1日3食を決まった時間に摂る
  • 暴飲暴食を避ける
  • 睡眠や休養を十分にとる
  • ストレスを解消する
  • 朝の排便を習慣づける

そのなかでも重要なのが、食事療法や運動療法による治療です。

食事療法

下痢をくり返している場合は、香辛料や冷たい飲食物、脂っこいものなどを避けます。乳製品やアルコールも下痢の原因になる可能性があるので、控えたほうがいいでしょう。

便秘をくり返している場合は、香辛料など刺激の強い食品は避けつつ、水分や食物線維を多く摂れるような食事を心掛けていきます。

運動療法

適度な運動は腸の働きを整える効果が期待できるほか、気分転換・ストレス解消にもなります。体操や散歩などの軽い運動を生活に取り入れましょう。

薬物療法

食事療法や運動療法で症状が改善しない場合は、医師による薬物療法が用いられます。

まず、高分子重合体や消化管運動調節薬を用いておなかの調子を整えます。効果が見られない場合症状に応じて、整腸剤、下剤、腸管運動抑制薬、抗コリン薬を併用します。またストレスが大きく影響している場合は、抗うつ薬、抗不安薬を用いる事があります。また最近では腸内でのセロトニンの作用を抑える事で、下痢症状や腹部症状の改善を期待できるお薬もあります。これらを症状やその程度、体質、生活パターンに合わせて処方されます。

日常のストレスが多く深刻な悩みを抱えている方の場合、心理療法を合わせて行います。カウンセリング、自律訓練法、行動療法、認知療法などを症状や問題にあわせて単独あるいは組み合わせて行います。

その他、医師による治療に合わせてセルフケアとして睡眠や入浴の改善、腹式呼吸等を組み合わせる事も治療を進める上で有効になってきます。ストレスの悪循環を断ち切る為に、おなかの調子に対する不安をできるだけなくしストレスを和らげる考え方ができるようになれば、症状が起りにくくなってきます。

どの診療科を受診すればよい?

それではIBSかもしれない、と思ったら、どこの病院を受診すればよいのでしょう?
IBSの専門科は、消化器内科や心療内科です。しかし、まずは、かかりつけのお医者さんに相談することをおすすめします。

ほかに原因となる病気がないかどうかをチェックした上で、IBSかどうかを診断してもらいましょう。症状に応じて、必要ならIBSにくわしい医療機関を紹介してもらえます。
引用:アステラス製薬HP
Japan Gut Club HP

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