誤飲と対処方法について -2010年10月30日掲載-

未知のものがたくさんある赤ちゃんにとって、めずらしければさわってみる、口に入れてみるということは、ごく自然のことです。

特に、はいはいを始めるようになると、目が離せなくなります。事故を防ぐため、危ないものは赤ちゃんのまわりに置かないよう心掛けます。もし何かを飲み込んでしまったら、それが何かを確かめることが大切です。飲み込んだものによって対処の方法が違ってきます。

今回は、誤飲した時の処置方法についてまとめました。

吐かせてはいけないもの

酸やアルカリが強いもの

  • トイレ用洗剤
  • 漂白剤 等

これらのものは、飲み込んだときに食道に火傷をつくります。吐かせることによって、さらに粘膜が焼けただれます。吐かせずに、牛乳などを飲ませてから病院にいきます。

石油製品

  • 灯油
  • シンナー
  • つや出し 等

これらのものは気管に入りやすく、肺に入ると出血性肺炎を起こし高熱がでます。吐かせずに、牛乳なども飲ませず、病院にいきます。

けいれん・ひきつけ・意識障害のある時

この状況で吐かせようとすると、窒息を起こしたり、吐いたものが気管に入って危険です。吐かせずに、すぐに病院に行きます。

飲んでも少量なら心配のないもの

  • 香取線香
  • マッチの頭
  • 水性の絵具
  • 防虫剤(パラジクロベンゼン)
  • タバコの葉(液は除く)
  • シリカゲル
  • 口紅、アイシャドウなどの固形の化粧品
  • 石鹸 等

全身状態に注意して、顔色やきげんのよしあし、呼吸や吐き気などをチェックします。

いつもとかわりがないようであれば、心配いりません。

水や牛乳を飲ませて吐かせ、様子を観察します。

これら以外のものについてたくさん飲んだとき

水や牛乳を多めに飲ませて、赤ちゃんの顔を下にして、指先で喉の奥を刺激し、どんどん吐かせます。ナフタリンや農薬など脂肪に溶けやすいものは、牛乳を飲ませないようにします。

上手な吐かせ方

  1. 牛乳か水を飲ませる。(飲ませる量の目安は体重1kgあたり約10~15ml)
  2. ひざにかかえる。腰をかかえるようにしてうつぶせにし、吐かせる人は立てひざをして、子供のお腹をふとももの上に載せ、頭を低くさせます。
  3. 舌の奥を押します。吐いたものが気管に入らないように注意を払って、下のほうから口の奥に指を深く入れて、刺激し吐かせるようにします。

尚、病院に行くときは、吐いたものや飲み残したものを持参しましょう。商品名がわかっていれば、処置の方法もわかりやすいためです。
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