アレルギー -2018年12月29日掲載-

アレルギーとは?

人間の身体には免疫機能が備わっています。これは身体の外から入り込んだ病原体などを排除するための機能です。この免疫機能の働きが過剰になってしまった状態を、「アレルギー」といいます。

アレルギーといえば食物アレルギーや花粉症などのアレルギー性鼻炎が有名ですね。 アレルギーは、そのメカニズムによってI型からⅣ型に分類されています。種類を少し細かく見ていきましょう。

Ⅰ型アレルギー(即時型、アナフィラキシー型)
気管支喘息、アレルギー性鼻炎、蕁麻疹、アトピー性皮膚炎、食物アレルギー
Ⅱ型アレルギー(細胞傷害型)
自己免疫性溶血性貧血、重症筋無力症、橋本病、バセドウ病
Ⅲ型アレルギー(免疫複合体型)
関節リウマチ、SLE(全身性エリテマトーデス)
Ⅳ型アレルギー(遅延型)
アトピー性皮膚炎、ツベルクリン反応、接触性皮膚炎

その中でも花粉症と食物アレルギーに注目してみましょう。

アレルギー性鼻炎


アレルギー性鼻炎は、原因物質(アレルゲン)の種類によって季節性と通年性に分けられます。
中でも患者数の多い花粉症とは、スギやヒノキなどの植物の花粉が原因となって、くしゃみ・鼻水などのアレルギー症状をおこす病気です。日本人の約4人に1人が花粉症だといわれています。

季節性アレルギー性鼻炎(花粉症)

原因となる花粉の飛ぶ季節にだけ症状があります。
主なアレルゲン:スギ、ヒノキ、カモガヤ、ブタクサなど

通年性アレルギー性鼻炎

アレルゲンが一年中存在するので、症状も一年中あります。
主なアレルゲン:ダニ・ほこりなどのハウスダスト、ペットの毛・フケなど

症状

くしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみ、充血など

治療

まずは原因物質の排除。花粉の飛散が多い時期は外出を避け、外出時は眼鏡やマスクを着用します。
薬物療法は抗ヒスタミン薬や抗ロイコトリエン薬の内服、ステロイドホルモンの点鼻薬などが中心です。特に花粉症の場合には、花粉が飛散する2週間ほど前から内服していると、症状が軽くなると考えられています。

食物アレルギー

食物アレルギーを引き起こすアレルゲンとしては卵・牛乳・小麦が代表的です。
特定原材料7品目(卵・乳・小麦・そば・落花生・えび・かに)は、食品表示法において加工食品への表示を義務付けられています。
子供に食物アレルギーが多いのは、消化機能が未熟で、アレルゲンであるタンパク質を小さく分解することができないのがひとつの要因として考えられています。そのため、成長に伴って消化吸収機能が発達してくると、食べられるようになる可能性が高いです。

症状

蕁麻疹などの皮膚症状、口の中のかゆみ、唇の腫れ、下痢、嘔吐、腹痛、咳や喘鳴など全身に症状が現れることもあり、これをアナフィラキシーといいます。意識障害や血圧低下、呼吸困難など重篤なアナフィラキシーショックを発症することもあります。

治療

原因となる食物を除去して発症を防ぐことが基本です。
間違って原因物質を食べてしまった場合は、アドレナリン自己注射薬を使用することがあります。
専門の医師の管理下で、原因となる食品を段階的に増量しながら摂取し、一定の量まで食べられるようになることもあります。アレルギー症状が出たり、アナフィラキシーなどの重篤な症状を誘発する可能性もあるので、自己判断で行うのは大変危険です。必ず医師の指導のもとで行いましょう。