現代の近視事情について -2023年10月6日掲載-

近視とは

私たちは遠くが見えにくくなると眼科で検査をして、メガネやコンタクトをつけ、よく見えるように調整します。近くの物ははっきり見えるものの、遠くの物がぼやけて見えることを近視と言います。
近くを見ることが続けば続くほどそれに目が慣れ、ピントがその状態で固定されます。そのため遠くを見た時はぼやけて見えるようになり、それを補おうとするため眼球が前後に伸びていくと言われています。眼球が伸びると元に戻らなくなります。
近年、視力の低下が著しく進んでおり、特に小・中・高校生の視力低下(近視)が問題となっています。

原因


2000年頃までは近視が進む原因は遺伝によるものが大きいと言われてきました。特に日本をはじめとする東アジアの人たちに近視が多かったのですが、2000年以降は今まで近視が少なかった欧米やアフリカでも近視が増えてきました。そのため遺伝だけではなく他の影響もあるのではないかと考えられるようになり、次の2つの環境要因があげられます。
1つ目は「明るさ」です。屋内の照明の明るさは屋外の自然な光に比べて数千倍から数万倍の差があり比較的暗く感じます。屋外で活動する時間が減って、屋内で過ごす時間が長くなったことが、近視を進ませる原因になっています。
2つ目は「近業」が増えたことだと言われています。「近業」とは「目と物の距離が30cm以内になっている状態で作業を行うこと」です。テレビを近くで見る、ゲームやパソコン、スマホの操作を行う、本を読む、字を書くことがこれにあたります。特にスマホは便利であるためついつい長時間使用してしまい近視が進む原因となっています。
初めてのスマホであるiPhoneが発売されたのは2007年、そして2007年から2008年生まれ以降の世代で近視が著しく増加しました。また、コロナ禍の外出自粛の生活で、会社の会議や学校の授業はリモートが増え、子どもも外で遊ぶことが少なくなりました。その影響もあるのか2021年文部科学省の調査では視力1.0未満の小・中学生は過去最多になりました。
もともと赤ちゃんは眼球が小さく、成長するにしたがって眼球が伸び、やがて成人になる頃に落ち着くと言われています。そのため小学生から中学生の子どもはより近視が進みやすいと言えます。

最後に

今までは近視は眼鏡などで矯正すればよいと考えられていました。しかし、近視が進行すると眼球が伸びることで、他の眼の病気を引き起こす原因にもなるため、器具で視力を補っているだけでは不十分と考えられています。近視が著しく増加している現代では少しでも近視を進行させない対策をする必要があります。

毎日のちょっとした行動で近視を予防しましょう

  • 休日は2時間ほど屋外で過ごしましょう
  • 日頃から部屋の照明は明るくしましょう
  • 正しい姿勢をとりましょう(前かがみの姿勢だと体の影で手元が暗くなります)
  • スマホやテレビ・パソコンは30cm以上距離を置き、30分見たら20秒は遠くを見ましょう