スマホ時代に潜む目の健康リスク -2025年9月30日掲載-

スマートフォン、携帯ゲームなどのデジタル機器あるいは仕事上でのパソコンの長時間使用により「視力がすぐ落ちる」わけではありませんが、アナタの目にさまざまな負担や悪影響を及ぼす可能性があります。具体的には以下のようなものがあります。

①眼精疲労(疲れ目)
近い距離で画面を凝視することで、毛様体筋(ピントを調節する筋肉)がずっと緊張した状態になります。その状態が長時間続くと「ピントが合いにくい」「目が重い」といった症状になる恐れがあります。
②ドライアイ
画面を集中して見るとまばたきが減り、涙が蒸発しやすくなります。その結果として「目の乾き、ゴロゴロ感、かすみ目」などの不快感が出る恐れがあります。
③ブルーライトの影響
各機器のLED画面から出るブルーライト(青色光)はエネルギーが強く、目の奥の網膜まで届きます。ブルーライトを長時間浴び続けると、睡眠リズム(メラトニン分泌)を乱すほか、将来的には網膜を傷つける可能性も懸念されています。
④睡眠の質の低下
就寝前のスマートフォン使用は、ブルーライトにより体内時計が「夜」を「昼」と錯覚させ、入眠困難や睡眠の質低下につながる恐れがあります。また睡眠不足により目の表面(角膜や結膜)の修復が不十分になり、翌日に「目の充血、かすみ目、目の痒み」を起こす恐れがあります。
⑤一時的な視力低下(調節緊張)
長時間近くを見続けることで、遠くを見たときにピントが合いにくい「仮性近視」の状態になります。特に成長期の子どもでは近視の進行を加速させる要因になる恐れがあります。
⑥姿勢由来の悪影響
スマートフォンの画面を下向きで見ることで、首や肩の筋肉に負担がかかり血流の悪化を起こします。その結果として、目の疲れや酸素不足を招き、視覚の不快感を強める恐れがあります。

まとめるとデジタル機器あるいはパソコンの長時間使用による目の健康リスクは、

  • 「近距離で長時間」
  • 「まばたき減少」
  • 「強い光(ブルーライト)」
  • 「姿勢の悪さ」

であり、目の疲れ、ドライアイ、視力の一時低下(近視進行)、睡眠障害につながる恐れがあります。

予防・対策

目の健康リスクを防ぐための簡単な習慣には以下のようなものがあります。

  • 20-20-20ルールを実践する。
  • ※20分ごとに、20フィート(約6メートル)以上の離れた場所を、20秒以上見る

  • 画面を目から30cm以上離し、正しい姿勢を意識する。
  • 長時間使用を避け、適度に目を休め、まばたきを意識する。
  • ブルーライト対策として就寝前の使用は控える。

遠くを見ることで毛様体筋がリラックスします。また適度に目を休め、まばたきを増やすことでドライアイを防ぎます。さらに寝不足や長時間使用を避けることで目健康を守ります。

実践のコツ

「20分ごと」は難しいと感じる場合は、休憩タイマーやアプリを利用すると便利です。遠くを見る対象は「窓の外の景色」「部屋の遠い壁」などで構いません。気づいたときに目を閉じて20秒休ませるのも有効です。

●最後に、目の健康を守るために意識すべきことは、

  • 休養(睡眠・目の休憩)
  • 栄養(目に良い食事)
  • 環境(姿勢・光・紫外線)
  • 定期チェック(眼科受診)

つまり、「よく休ませ、よく守り、よく使う」ことが基本です。