尿酸を下げるお薬 -2006年4月1日掲載-

足の指が腫れてひどく痛む痛風。この病気の原因になっているのが体内のエネルギーの燃えカスである尿酸です。

私たち薬剤師は、尿酸値が高く治療を必要と判断された患者様にお薬を渡す際に、「体の中の尿酸を下げる薬です」と一口で説明してしまいがちですが、尿酸を下げるお薬には大きく分けて2種類あります。

まず体の中で尿酸ができるのを抑える薬。そして尿酸を尿に捨てて体から出しやすくする薬です。患者様が尿酸産生過剰タイプなのか、尿酸排泄低下タイプなのかによって選ばれます。

尿酸は酸性側で結晶になりやすいため、尿酸の排泄を促進する薬で尿の中の尿酸が増えるような場合には尿をアルカリ性にする薬を併用する場合があります。また血液中の尿酸量を急激に低下させると、痛風発作が引き起こされることがあるので、お薬は少量から始めることが多いようです。

尿酸はほぼ100%お薬でコントロールできるようになってきています。しかし、症状がないからと勝手に薬をやめてしまうと尿酸値はすぐに高くなります。従って一般的には長期間のみ続けることが多いようです。また尿酸の排泄を促進する薬が稀に肝臓に負担をかけることがありますが、飲み始めの6ヶ月間定期的に肝機能検査することで早期発見が可能です。

尿酸を下げるためにはお薬だけでなく、肥満を解消しプリン体の多い食品(レバー・エビ・干物・イカなど)やアルコール(特にビール)を控え、水分を十分とって軽い運動を心掛けることが大切といわれています。それはまた、糖尿病や高血圧、高脂血症といった生活習慣病の予防にもつながっていきます。

私たち薬剤師は患者様に生活習慣についてもアドバイスができればと思っています。お気軽に声をおかけください。