子宮頸がん予防ワクチンをご存知ですか? -2010年11月18日掲載-

日本では年間約1万5千人の女性が子宮頸がんにかかる(約3千5百人が死亡)と言われています。

子宮頸がんは、子宮の入り口付近にできるがんで、最近は特に20~30代の患者さんが急増しています。女性にとって、乳がんとともに知っておかなければならない重要な病気です。

子宮頸がんは発がん性ヒトパピローマウィルス(HPV)に感染することで発病すると言われています。感染したからといって必ずがんになるわけではなく、多くの場合は自然に体内から排除されます。しかし、一度排除されても何度でも感染するため、ワクチンを接種し、感染を防ぐことが大切です。

海外の多くでは、12歳前後の女児からワクチン接種を推奨しています。発がん性HPVは性的接触によって感染するため、感染前の接種が最も効果的だからです。ワクチンによって、子宮頸がんから多く見つかる発ガン性HPV16型と18型の2種類の感染が予防できます。

しかし、その他の発がん性HPVの感染予防や、すでに感染しているウィルスの除去、がんの進行を遅らせたり、治したりすることはできません。

ワクチンは半年間で3回の接種が必要で、費用は自費診療のため高額ですが、長期間の抗体維持が期待されます。費用に対して、公費助成を行っている自治体もありますので、接種の時期や料金など、詳しくは医療機関にお問い合わせ下さい。

最後に、子宮頸がんはごく初期に発見できれば、多くの場合、子宮を温存することが可能です。ワクチンを接種する、検診を受けるなど、自分の体は自分で守っていくという心構えも大切だと思います。