ノロウイルス -2011年1月20日掲載-

冬場に多いノロウイルスなどによる感染性胃腸炎の患者様が、今シーズンは昨年の同じ時期のおよそ4倍になっています。今回はノロウイルスの予防、症状について解説します。

まず感染経路ですが、カキやシジミなどの魚介類がノロウイルスに汚染され、それを食べることで中毒症状を引き起こします。また自分は食べていなくても、ノロウイルスに汚染された食品を食べた人の嘔吐物や糞便を介して感染することもあります。

ノロウイルスの潜伏期間は30時間程で下痢や嘔吐、吐き気、発熱の症状が現れます。熱は高くても38度台で、それ以上になることはほとんどありません。子どもの場合は嘔吐、成人は下痢が多いのが特徴です。

予防については丁寧な手洗いが第一です。調理や食事の前、トイレに行った後などには必ず行ってください。忘れがちですが、時計やブレスレットを外し手首もしっかり洗いましょう。石鹸にはノロウイルスを直接失活させる効果はありませんが、手の脂肪等を落とすことで、ウイルスを手指から剥がれやすくします。

ノロウイルスは85度以上で1分以上加熱すると死滅し、60度程度では30分加熱しても生き残るので、調理の際は、食品の中心部までしっかり火を通すように注意してください。

また感染者の嘔吐物や糞便を介しての感染も多いので、嘔吐物などを片付けるときは使い捨てのマスクや手袋を使い、嘔吐物や便が付着した床やトイレ、衣類はすばやく確実に消毒してください。消毒方法は厚労省などのホームページで調べることもできますが、あらかじめ、かかりつけの薬局で相談しておかれてはいかがでしょうか。

予防にどれだけ努めても感染してしまう場合があるので、腹痛や吐き気、下痢等の症状が出た場合はすぐに受診しましょう。