痛風発作について -2011年3月24日掲載-

今回は激痛を伴う痛風についてです。痛風の発作とはその病名の通り、“風が当っただけでも痛い”ほどの激痛の症状をさします。多くの場合は足の親指の付け根辺りから痛みが現れ、“刺されるような痛み”と言われています。

足を地面に着けるたびに激痛がするため、歩くことすら困難になるケースもあります。更に発作が進むと関節炎を併発して体中が痛くなります。

痛風の原因は尿酸という物質です。尿酸は体内の老廃物の一種で、尿中に排泄されるものです。尿酸は水に溶けにくい性質を持っていますが、私たちの体は、尿に溶かして排泄しています。

健常人では1日に体内で作られる尿酸の量と出ていく量のバランスが取れていますが、何らかの原因でこのバランスが崩れると、体内に尿酸が溜まった状態になります。この状態を高尿酸血症といい、痛風の予備軍にあたります。

尿酸が体内に溜まってある一定の濃度を超えると、水に溶けにくいため結晶になります。この結晶を体が異物と判断し白血球が攻撃をします。この攻撃によって起こる炎症が痛風の発作です。

痛風の治療には、まず痛み止めの薬を使い、次に食事療法と尿酸値を下げる薬を使って発作が起きないようにするのが基本です。但し、この治療は長期にわたることが多く、治ったと思い、薬を勝手に止めたり、暴飲暴食をしたりするとすぐに再発してしまいます。医師の判断があるまでは、正しく薬を使っていく必要があります。

痛風は一度かかると長い付き合いになる病気です。健康診断等で尿酸値が高いと診断された場合は、早めに医療機関で受診しましょう。