カフェインと薬 -2010年3月31日掲載-

薬局などで、コーヒーの摂取量などを尋ねられたことがあるかと思います。それはなぜなのでしょう。

カフェインの作用

コーヒーにはカフェインという物質がたくさん含まれています。コーヒーだけでなく紅茶、緑茶などにもカフェインという物質が含まれていることが知られていますが、薬剤師はそのカフェインの摂取量を気にしているのです。

なぜなら、カフェインは医薬品として存在しています。中枢神経刺激作用、利尿作用、平滑筋弛緩作用、胃酸分泌促進作用を有し、「眠気」や「倦怠感」、「頭痛(血管拡張性及び脳圧亢進性)」の改善を期待して用いられます。(無水カフェイン添付文書より)

摂取量

市販飲料・食品中に含まれるカフェイン含有量
品名 浸出液100ml中
(標準の入れ方)
玉露 160mg
煎茶 20mg
ほうじ茶 20mg
番茶 10mg
玄米茶 10mg
ウーロン茶 20mg
紅茶 30mg 60mg以下
コーヒー 60mg
インスタントコーヒー 80mg
コーラ 20mg
麦茶 0mg
杜仲茶 0mg

※文献により含有量が異なる場合は併記

カフェインの常用量は成人1回100~300mgを1日2~3回であり、個人差はありますが200~500mg摂取すると、いらいら、神経過敏、不眠、めまい、不整脈、血圧上昇等があらわれる可能性があることが知られています。

医薬品から摂取するカフェインも、市販飲料・食品から摂取するカフェインも、抽出の方法が異なるだけで、全く同じものなのです。それゆえ下記の表からも分かるように、コーヒーや玉露などを2、3杯も飲めば、容易に医薬品と同量のカフェインを摂取することになります。摂り過ぎれば先ほど挙げたような、いらいらや不眠などの症状があらわれるなど、何かしら体調に異変を感じるかもしれません。そのため、右のようなカフェイン含有物の摂り過ぎには十分な注意が必要です。

またカフェインは胃酸分泌促進作用をもつので、胃炎や消化性潰瘍の方は、なるべくカフェイン含有物の摂取は控えたほうがよいでしょう。

相互作用

また、上述した通り、簡単に医薬品と同量のカフェインを摂取することになるため、医薬品のカフェインと同様に、他の医薬品との相互作用にも注意が必要です。

相互作用(無水カフェイン添付文書より)
薬剤名等 臨床症状 機序
キサンチン系薬剤
中枢神経興奮薬
過度の中枢神経刺激作用があらわれることがある 併用薬の代謝・排泄を遅延させることがある
MAO阻害剤 頻脈、血圧上昇等があらわれることがある
シメチジン 過度の中枢神経刺激作用があらわれることがある カフェインの代謝・排泄を遅延させることがある

出典:「飲食物・嗜好品とくすりの相互作用 2005」

上記以外でも、相互作用があることが知られています。一部抗生物質で、カフェインの代謝が阻害され、中枢神経刺激作用(いらいら、神経過敏、頻脈、血圧上昇等)があらわれた、との報告もあります。こちらに記載した医薬品以外でも、カフェインとの相互作用で問題となった報告があるので、安易にコーヒーや玉露で薬を服用するというのは避けたほうがよいでしょう。

また、カフェインは胎盤を通過し、母乳中にも容易に移行することが知られています。そのため、妊婦又は妊娠している可能性のある方、及び授乳中の方も、カフェイン含有物の多量な摂取は避けることが望ましいです。

このように、カフェインは医薬品としても存在しており、数多くの医薬品との相互作用が報告されていることから、嗜好品の中でも、特に薬と密接に関わりをもった物質であるといえます。医師より処方されたお薬の効果に影響を及ぼす可能性を理解し、生活の中で特に好んでカフェインを摂られる方は、薬局でお薬をもらわれる際、かかりつけの薬剤師にしっかり相談されることをお勧めします。

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