漢方薬について -2016年5月31日掲載-

~飲み方のコツや、注意していただきたいこと~

基本的な飲み方

原則的に水か白湯で服用します。牛乳やジュースなどで飲むのは、お薬の吸収に影響を与える場合があるので、できるだけ避けることをお勧めします。

漢方薬には色々な剤型がありますが、「~散」という名前の漢方薬は常温で、「~湯」という名前の漢方薬はお湯に溶かして温かい状態で飲むのが基本です。

よく効く飲み方

インフルエンザを含む感冒の時

漢方薬は、体温を早く上昇させることによって、熱に弱いウィルスを排除するという、体の防御反応を高める働きをします。服用する時は、体を冷やさないように、お湯に溶かして人肌程度に冷まして飲むと効果的です。

喉が痛い時

桔梗(キキョウ)(トウ)の成分の桔梗は、トローチ剤に配合されることもあります。服用する時は、1包を20mlぐらいのお湯に溶かして、喉の奥にしばらく含ませてから飲みこむと効果的です。

歯痛や歯肉痛の時

立効(リッコウ)(サン)は、少量のお湯に溶かし、口の中に含んで、患部に接触させると効果的です。

夜中にこむらがえりが起こる時

芍薬(シャクヤク)甘草(カンゾウ)(トウ)を就寝前に服用します。

飲みにくい時は

漢方薬について

味や匂いが苦手な場合は、ココアパウダーを混ぜて、砂糖を少し加えて飲むと、味や匂いがやわらぎます。オブラートに包んで飲んだり、服薬補助ゼリーに混ぜて飲んだりするのもお勧めです。また、1歳以上の乳幼児であれば蜂蜜を入れてみるのも良いでしょう。

吐き気がある時は、少し冷やした方が飲みやすくなります。

入れ歯に挟まって困る場合は、入れ歯を外して服用してください。外せない場合は、オブラートを少量の水を張ったお皿の上に浮かせて、お薬をのせて包みこんで飲むと喉の通りが良くなります。

認知症などで薬を飲めない方は、おかゆに混ぜて頂いても結構です。混ぜる場合は、上に乗せるだけでは見た目が大きく変わってしまい飲んでいただけない可能性もあるので、おかゆ全体を混ぜるようにしましょう。味噌汁に混ぜると、味が変わるため、あまりお勧めしません。

漢方薬同士を合わせて飲む時は注意しましょう

漢方薬に含まれる生薬の中で、特に麻黄(マオウ)甘草(カンゾウ)については、漢方薬同士で重複している時は注意してください。
特に高齢の方は、代謝機能の低下などによって、副作用があらわれやすい傾向があります。

麻黄を大量に服用すると、不眠、多汗、動悸、脱力感や精神興奮などがあらわれることがあります。
甘草を大量に服用すると、血圧上昇、低カリウム血症、むくみ等の症状があらわれることがあります。甘草は、漢方薬全体の約2/3の処方に含まれているので、重複しやすく、注意が必要です。こむらがえりなどの症状に用いられる芍薬(シャクヤク)甘草(カンゾウ)(トウ)には甘草の含量が大きく、ほかの漢方薬と併用しなければならない時は、ご相談ください。また漢方薬ではなくても、利尿薬や、グリチルリチン製剤、甘草由来の成分を含む食品を服用中の方は、甘草の副作用に注意してください。

他にも、附子(ブシ)という生薬では動悸や舌のしびれなどが、大黄(ダイオウ)では下痢などがあらわれることがあります。

いずれの場合も、服用中に気になる症状が見られたら、医師や薬剤師にご相談ください。

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