塗り薬の身近な疑問 -2018年7月31日掲載-

夏場の虫刺され、冬場の乾燥、にきび等、幅広い世代で使用される身近な薬・塗り薬の疑問について説明したいと思います。

塗り薬の種類

塗り薬は大まかに、使用感がベタベタするもの・サラサラしたもの・その中間のものがあります。同じ主成分でも使用感の差は剤形による違いです。ベタベタする塗り薬は軟膏と呼ばれる剤形の種類で、油分が多く皮膚に対して刺激が少ないのがメリットです。サラサラの薬はローションと呼ばれる剤形で、水分が多く使用感がよいのがメリットですが、皮膚に対して軟膏よりも刺激がでることがあります。この2つの中間にあたるのがクリームと呼ばれる剤形です。

剤形の種類は症状により使い分けることが基本ですが、使用感によって選択する場合もあります。夏場に軟膏でべとつくのが不快に感じる方は、ローションタイプの方が使用しやすいこともありますので、変更できるかを主治医に相談してみるのも一つの選択肢です。

塗り薬の適量は?

塗り薬の使用量はチューブの口径にもよりますが、一般的に両手の平分の面積に対して、軟膏やクリームは人差し指の先から第一関節まで伸ばした量、ローションは1円玉の大きさが目安です。軟膏壺に入っている場合は、塗ってみて皮膚がテカる程度が目安です。

子どもが舐めてしまったら……

薬の種類にもよりますが、お子様が塗布した患部を舐めたりして、口の中に入ってしまっても、ほとんどの場合、過剰に心配する必要はありません。気になる時は薬剤師に相談してください。

ステロイドは怖い?

皮膚科領域でよく使われるステロイド外用薬(副腎皮質ホルモン)を使用するのが怖いと言われる方が多々いらっしゃいます。しかし、ステロイドは人が日々分泌しているホルモンで、医師の指示通りに適切に使用すれば怖い薬ではありません。ステロイド外用薬の強さは5段階に分けられており、主に年齢、症状、患部の広さ等によって使い分けられます。

残った塗り薬は?

残った塗り薬は、長期間保管せず廃棄するようにしてください。古い薬は効果がないだけでなく、副作用がでてしまう可能性もあります。塗り薬の期限は、薬の種類、混合の有無、保管の状態等によっても違いますので、薬剤師に相談してください。

また、医師の診察をうけた患部以外で同じ症状がでた場合、同じ薬を使用しても大丈夫かと質問される場合がありますが、使用しない方がよいです。同じようなかゆみでも、例えば水虫によるものか、虫さされによるものか、乾燥によるものかで使用する薬は異なります。処方された外用薬がステロイドで、診察されていない他の患部のかゆみがもし水虫によるものだったら、ステロイド外用薬を長期間使用することで症状が悪化する場合もあります。

同様に、自分に処方された薬を他の人に譲るのも止めましょう。

お薬をもらって、分からなかったことや、もしかして副作用?など疑問に思うことがありましたら、気軽に医師または薬剤師に相談しましょう。