身近な頭痛~特徴と対処法~ -2019年5月31日掲載-

この季節、頭痛に悩まされる方はとても多いと思います。ズーンとする、ズキズキする、ドクドクする……人によって感じ方はそれぞれです。患者さまにお薬を渡す際に「頭痛持ちで~」とおっしゃる方が多く、中には頭痛を簡単に考えられている方もいらっしゃいます。頭痛は身近な病気ですが、その種類は様々であり原因もそれぞれ異なり、鎮痛剤を服用すれば症状が治まるものもあれば、生命に関わる重篤な病気の症状である場合もあります。

頭痛の種類

頭痛の種類は大きく分けると、一次性頭痛と二次性頭痛に分けられます。

★一次性頭痛
緊張型頭痛・片頭痛・群発頭痛などに分類される、原因となっている病気のない頭痛であり、頭痛患者の半数を占める緊張型頭痛も一次性頭痛です。
★二次性頭痛
脳腫瘍や脳出血、外傷などの病変が原因の頭痛です。二次性頭痛は多岐にわたる病気が原因となり、鼻や副鼻腔、口腔内の病変が引き起こす頭痛もあります。

一次性頭痛の特徴

緊張型頭痛 頭の筋肉の凝りによる頭痛(ストレス、無理な姿勢、頭の筋肉の使い過ぎ)
片頭痛 脳から顔につながっている三叉神経周りの血管が広がり、神経を刺激することによって起こる頭痛
群発頭痛 アルコールや血管拡張薬により頭の血管が広がることによって起こる頭痛
※詳しいメカニズムは解明されていない

二次性頭痛の要因

身近な頭痛~特徴と対処法~

くも膜下出血・脳内出血・頭部外傷等の脳血管障害、インフルエンザ・風邪等の感染症、そのほかに急性緑内障発作、副鼻腔炎、高血圧脳症、薬物乱用頭痛があります。頭痛が、他の病気を発症したときと同時期に生じれば二次性頭痛であると判断できますが、中には元々一次性頭痛の方が何らかの病変によって悪化していることもあります。
命に関わることがあるため、突然の激しい頭痛の場合は緊急受診してください。

一次性頭痛の緊張型頭痛と片頭痛の予防法と対処法

★片頭痛の予防法

片頭痛の要因を取り除く
ストレス、疲労、睡眠不足・過多、天候、飲酒、極度な空腹、光、騒音等が誘引するため、これらの環境をなるべく避けましょう。
適切な睡眠と規則正しい生活をする
体のストレスが片頭痛の引き金になるため規則正しく生活をしましょう。
頭痛の誘発食品を控える
チョコレート、チーズ、赤ワイン、コーヒー、紅茶など片頭痛を誘発するといわれる食品の摂り過ぎには注意しましょう。
片頭痛の予防薬を飲む
医師と相談し、予防の薬をあらかじめ処方してもらい服用することで予防できます。

★片頭痛の対処法

冷やす
保冷剤をタオルに包み痛む部位に当てると、痛みの軽減に役立ちます。
静かな暗い場所で安静に過ごす
光や騒音で痛みはさらに増してしまいます。できるだけ、静かな暗い場所で横になり安静に過ごしましょう。
片頭痛の発作薬を飲む
片頭痛発作が起きたときにトリプタン製剤、エルゴタミン製剤、鎮痛薬を服用します。医師に相談して自分の片頭痛に合った薬を処方してもらうことが重要です。

★緊張型頭痛の予防法

同じ姿勢で長時間作業をしない
同じ姿勢で長時間の作業をしないようにしましょう。特にパソコン作業は、姿勢を正して、小休止をこまめにとるように心がけましょう。
頭、肩、首の筋肉の凝りをほぐす
首をまわしたり、左右に傾けたり、ツボを押したりして筋肉の凝りをほぐしましょう。仕事や家事の合間にすると気分転換にもなります。
枕の高さを調整する
体に合わない枕は首の負担になり、筋肉を緊張させる凝りの原因となります。自分に合った枕を選びましょう。

★緊張型頭痛の対処法

温めて血行促進する
軽めの運動、お風呂、マッサージで体を温めて、首や肩の筋肉の凝りをとり、血行をよくすることで症状が軽減されます。
気分転換をする
同じ姿勢でずっと居続けると筋肉が凝り固まってしまいます。頭痛が始まったら、心身ともにストレスから解放し早めに気分転換しましょう。
鎮痛薬を飲む
鎮痛薬を飲むことで軽減できます。市販の薬でもいいので適切に服用しましょう。ひどいようなら医師と相談してください。

受診する際は、自分の頭痛がどのような頭痛なのかをあらかじめメモしておくことで医師に的確に伝わり、対処法で楽になります。頭痛でお悩みの方は、今一度自分の体と向き合ってみてはいかがでしょうか。