お家にお薬がたくさん残っていませんか? -2021年12月1日掲載-

もしかすると、みなさんのお家にも必要以上に残っているお薬があるかもしれません。
医師や薬剤師から「お薬がたくさん残っていませんか?」と聞かれたことはありませんか。
その「たくさん残ったお薬」のことを「残薬」といいます。
残薬は国の医療費増加の原因の一つといわれており社会問題となっています。

残薬が発生する主な原因は?

  • 飲み忘れや飲み間違い
  • 飲みにくい剤形(錠剤が飲み込みづらいなど)
  • 別の医療機関で同じようなお薬の処方(痛み止めや胃薬など)
  • 自分で判断して飲むのを止めた
  • 症状により調節しながら服用(便秘の薬など)

などが挙げられますが、他にも原因は様々です。

残薬があるようなら医師や薬剤師に相談しましょう!

お家にお薬がたくさん残っていませんか?
医師が処方する時や薬局でお薬をつくる時に、本来もらうべきお薬の数量から「残薬」の数量を引いて処方数量を調整し、お家にある残薬を再利用することで有効活用できます。
残薬を調整する際に数量を確認させていただく必要があるので、残薬を持参していただくか、医師や薬剤師に伝え漏れがないようお薬手帳に残薬の数量を書いて見せると良いでしょう。
お渡しするお薬の数量が減ることで、患者さまのお薬代が軽減でき、国の医療費増加を抑えることにつながります。
急用や急な天候の変化など不測の事態により、受診できない、薬局に行けないことがあると、お薬がもらえず足りなくなると困りますので、患者さまとしてはお薬をギリギリにするのも心配でしょう。
災害時などに備えたお薬の数量は1週間分程度という目安もありますので、残薬を調整してもらう時の参考にしてください。

薬局で残薬を減らす主な取り組みとして

  • 患者さまから残薬数量を確認して、処方数量の調整を医師に提案します。
  • お薬手帳で併用薬を確認して、同じようなお薬が処方されていないか、組み合わせが悪いお薬が処方されていないかを確認します。もし、そのようなお薬があれば医師に疑義照会を行います。※医療機関に行く時は毎回必ずお薬手帳を持って行き確認してもらいましょう!
  • 同じタイミングで飲むお薬を1回服用分ごとにまとめて1袋に入れます。そのことを「一包化」といいます。そうすることで、お薬の飲み忘れや飲み間違いを減らすことができます。医師に一包化を提案します。
  • 飲みやすい形のお薬への変更を医師に提案します

など、ほんの数例を挙げましたが、他にも薬剤師から医師に提案することができます。

まとめ

残薬が発生する原因に、お薬の飲み忘れや飲み間違いがあります。お薬は用法用量を守って正しく飲まないと十分な治療効果が得られず症状が悪化してしまい、お薬の量が増えてしまうこともあり、患者さまにとっても良くないことです。
残薬のことやお薬について困っていることや不安、気になることなど少しでもありましたら、お気軽に薬剤師にご相談ください。
患者さまに正しく安全に安心してお薬を飲んでいただけることで症状が良くなることを願っています。