1.高血圧とは
数ある病気の中で一番身近に感じるものは「高血圧」ではないでしょうか。皆さんは高血圧と言えばいくつ以上を指すと思いますか?
時代によってその定義は変わりますが、日本高血圧学会では安静時に「140/90 mmHg以上」が高血圧患者と定義されています。
ただし、この数値以下が正常値と言うわけではなく、降圧目標は「130/80 mmHg未満」とされています。高血圧は脳卒中や心臓病のみならず、あらゆる臓器への負担となるので、血圧を下げる事はとても大切なことです。
2.いつ、どうやって何回測れば良いの?
自宅で血圧を測る場合、いつ測れば良いのかと質問をいただくことが多いですが、可能であれば朝・夕それぞれ2回ずつ測ることをお勧めします。その2回の平均値を血圧手帳に記録して、主治医の先生に見てもらえば、診断の参考になるかと思います。
大切なのは「座った状態で1~2分安静にした後に測ること」です。喋りながら測ったりすると、数値が高く出てしまうのでご注意ください。
7日間の平均値で高血圧であるかどうか、または血圧の薬が効いているかどうかの判定をされることが多いようです。
降圧薬の種類
血圧を下げる薬はいろいろな種類がありますが、代表的なものは次のとおりです。
- 1.カルシウム拮抗薬
- これは血管を直接拡張させることで血圧を下げるお薬であり、最もよく処方される降圧薬です。降圧効果は高いですが、血管を広げるがゆえに、「顔ののぼせや火照り」を感じる場合があります。また、グレープフルーツにより薬の効果が不安定になるので、一緒に摂取することは避けるようにしてください。
「アムロジピン」「ニフェジピン」「シルニジピン」などがこのグループのお薬です。 - 2.ARBとACE阻害薬
- 人間の体には血圧を上げる機能が備わっていますが、その一つが「レニン・アンジオテンシン系」というものです。ここに作用することで血圧を下げるのがARB(アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬)とACE阻害薬(アンジオテンシン変換酵素阻害薬)です。これらは腎臓保護機能を併せ持つとされ、カルシウム拮抗薬と併用されることも多いです。
しかし、ACE阻害薬には「空咳(痰を伴わない乾いた咳)」の副作用が多くみられるため、空咳を起こしにくいARBが最近ではよく用いられています。
ARBには「カンデサルタン」「アジルサルタン」「オルメサルタン」などがあります。 - 3.β遮断薬
- 頻脈(脈が速い)を伴う高血圧によく用いられるのがβ(ベータ)遮断薬です。高血圧のお薬として一番に選ばれることが少ないのは、気管支喘息を悪化させることがその要因の一つと思われます。カルシウム拮抗薬の中には副作用として脈を速くする場合があり、頻脈がみられたときはβ遮断薬を追加、もしくはβ遮断薬に変更されることもあります。
気管支喘息への影響が比較的少ないβ遮断薬としては「ビソプロロール」「アテノロール」「メトプロロール」などがあり、気管支喘息患者には用いられませんが、強い降圧効果のあるものとして「プロプラノロール」「カルベジロール」などがあります。
上記以外にもいろいろな降圧薬があります。ナトリウム(塩分)排泄を目的として利尿降圧薬が処方されることも多く、また最近は降圧薬2種の配合剤も多くなっています。
4.生活習慣の改善
「言うは易く行うは難し」ではありますが、やはり血圧を下げるのに大切なことは生活習慣の改善です。
一般的に血圧を下げるためには「減塩」が頭に思い浮かびます。それはもちろん正しいことであり、そもそも体内の塩分を排泄するために体が血圧を上げているとも言われています。また、減塩以上に効果が高いのが「減量」です。体重を落とすことが血圧を下げることに繋がります。
今一度、毎日の食事内容を見直し、お散歩などの軽い運動を行い、生活習慣の改善を心掛けるようにしましょう。

