みなさんは小学校、中学校などで、医師や歯科医師の健診を受けたことがあると思います。健診をしてくれたのは学校医・学校歯科医師と呼ばれる方々です。
同じように各学校(幼稚園、小学校、中学校、義務教育学校、高等学校など)には、学校薬剤師が配置されていますが、その存在や活動はあまり知られていません。
学校薬剤師は、普段は地域の病院や薬局、ドラッグストアなどで仕事をしており、学校には常駐していません。定期的に学校を訪問し、学校内の衛生状況を検査したり、健康相談、健康教育などを実施しています。当社でも、多くの社員が学校薬剤師に任命され、活動しています。
今回は、学校薬剤師の具体的な業務についてご紹介します。
環境衛生検査

学校へ訪問し、教室内の温度や湿度、二酸化炭素濃度、騒音レベル、照度などの検査、また、飲料水やプールの水質検査、ダニ、害虫の発生状況の検査など、校内の環境衛生を定期的に検査し、環境の維持と改善のために必要な指導・助言を行います。
教室内では、授業中の児童生徒の呼吸により二酸化炭素が放出されます。また、ストーブなどの使用で二酸化窒素が発生します。換気をしないと二酸化炭素濃度が高まり、頭痛や眠気が起こる場合があります。他にもインフルエンザやコロナウイルス等の感染対策のために換気の指導を行います。
騒音検査では、教室内の背景音を確認し、騒音が基準を超える場合は防音対策について助言します。
照度検査では、教室や黒板の明るさが適切かどうかを測定します。照度不足は視力低下や学習効率の低下につながるため、基準に満たない場合は照明設備の改善を提案します。
水質検査では飲料水の有害物質や細菌、プールの塩素濃度を検査し、安全基準を満たさない場合は使用中止や浄化措置を講じます。
また、校内にゴミやホコリが溜まっていないか、ダニや、ネズミ・ゴキブリなどの衛生害虫が発生していないか点検し、必要に応じて清掃の徹底や殺虫・防虫対策を促します。
学校薬事衛生(薬品類の使用・保管)
学校は保健室の医薬品、理科、化学実験室の薬品、プールの消毒用の薬品類や花壇用薬品など多くの薬品を所有しています。それらの管理・保管などの指導や助言にあたっています。
健康教育
薬は私たちの生活に身近なものです。薬は間違って使うと毒になり、身体に害を及ぼす場合があります。薬の正しい使い方や副作用についての説明や、お酒、たばこ、危険ドラッグの健康リスクについての教育、最近ではオーバードーズ防止活動も必要となってきています。また、アレルギーを持つ子どもが年々増えているため、アレルギーに関する薬や対処法(エピペンの使い方等)について、本人だけでなく教師や保護者への説明が必要となります。このように、学校や地域と連携・協力し、学校薬剤師が講師となって様々な教室やセミナーなどを開催しています。
日常ではあまり直接接することのない学校薬剤師ですが、学校という場で子どもたちの健康と安全を守るために欠かせない存在です。

