高血圧の薬とグレープフルーツジュース -2005年10月1日掲載-

患者様から「高血圧の薬とグレープフルーツジュースは一緒に飲んではいけないの?」とよく質問を受けます。確かに、飲み合わせが悪い薬はあります。高血圧の薬の中には、血圧を下げる仕組みや作用が違う薬が数種類あり、問題となる薬はその中の一部です。

問題となる薬とグレープフルーツジュースを一緒に飲んだ場合、どのような症状が起こるのでしょうか?一般的には、薬の作用が強く出ることから、血圧を必要以上に下げることになり危険を伴うこともあります。その他には頭痛、胸がドキドキする、顔が赤くなる、といった症状を起こします。

では、何故グレープフルーツジュースが問題なのでしょうか?これは、グレープフルーツに含まれている物質が関与しています。同じ物質は柑橘類のザボン(ボンタン、文旦)、スイーティー、ダイダイにも含まれていますので注意が必要です。しかし、同じ柑橘類でも、レモン、カボス、温州みかん、オレンジジュースは大丈夫だとされています。

最近は健康ブームで、体に良い食品を意識的に摂る方も多いようです。グレープフルーツジュースも例外ではなく、健康に良いと思って摂っているにも関わらず、薬との飲み合わせによって、逆に体を害する結果となっては元も子もありません。現在、高血圧の薬を服用しており、グレープフルーツジュースも稀に飲まれるため、ご心配な患者様がおられましたら、一度、医師又は薬剤師に相談されてはいかがでしょう。

私たちは、健康被害をなくすため、普段から患者様の生活習慣(併用薬、アレルギー歴は勿論、健康食品の使用状況等)を確認し、薬を安全に服用してもらえるよう日々努力しています。また、皆様の健康を手助けすることが私たちの職務です。健康に関するご質問、ご相談がありましたら、どんな些細なことでも構いませんので、お気軽におたずね下さい。