授乳とかぜ薬 -2007年3月1日掲載-

授乳中の患者様から「このかぜ薬を飲みながら赤ちゃんにおっぱいを飲ませてもいいですか?」と聞かれることがあります。

お母さんが服用したお薬は腸から吸収され、血液中に入り体中に広がっていきますが、母乳中にも移動して、その母乳を飲んだ赤ちゃんは間接的にお薬を飲むことになってしまいます。でも、母乳保育をしているお母さんが、風邪をひいてしまうこともあります。薬を服用せず我慢するか、授乳を控えることができればそれに越したことはありませんが、そうもいかない場合はお薬をのみながら授乳を続けることになります。

ほとんどの場合、授乳によって赤ちゃんが間接的に飲むお薬の量は、お母さんが服用したお薬の100分の1以下なので、お母さんが風邪薬のようなお薬を服用しても、赤ちゃんに影響が出ることは少ないと考えられています。

しかし、赤ちゃんは大人とは違い腎臓や肝臓の機能が十分に発達していないので、薬が体の中にたまる傾向にあり、影響を受けやすくなります。不用意にお薬を長く続けることは避けなければいけません。また、薬の影響をできるだけ少なくするため、お薬を服用するのは母乳を飲ませた直後か、赤ちゃんが長い睡眠に入る前が望ましいと考えられます。

いずれにしても授乳中にお薬を服用する場合には、受診している医師に授乳中であることを伝えてください。そして、赤ちゃんの様子もよく観察するようにしてください。母乳を飲まなくなる、ぐずる、うとうとする、下痢をする、発疹がでる等の異常があればお薬を中止して、すぐ医師に相談するようにしましょう。

薬局でお薬を受け取る際にも授乳中であることを薬剤師に伝えていただき、少しでも気になることがありましたら、ご遠慮なくご相談ください。